読書メモ
・「その他大勢から抜け出す成功法則」
(ジョン・C.マクスウェル:著, 齋藤 孝:訳、三笠書房 \1,400) : 2006.05.27
内容と感想:
「夢を実現する戦略ノート」と同じ著者の本。これも成功を目指す人には座右の書となることだろう。
ある意味ショッキングな題名だが、原題は「Thinking for a change」であり、インパクトでは邦題の勝ちか?
成功する人としない人の差はどこにあるか?それは考え方、思考法にある。成功するための考え方を習慣付けることで、
その他大勢から抜け出して成功者になれると説く。
まずT部では思考法を変えるために心得ておくことを4点、自己変革の6つの手順、について述べている。
そしてU部では本題である11の「考える習慣」についてみっちり説明している。
大局的と集中的、創造的と現実的、前向きと反省、利他的と実利的といったように一見すると相反することを
並べているようにも見える。しかし成功するためには偏った考え方ではいけないようだ。
総合的に色んな視点から考えられなければならない。
最も興味があったのは創造的な考え方。創造性とは「組み合わせの妙」だとか、創造には不安定な状態が不可欠だとか、
失敗する場合もあると分かっていながら、あえて試してみることだとか、楽しむことを知っている知性だとか、様々なフレーズが
出てくる。創造性を発揮するための機会を与えることが必要性であり、創造性を認める風土・環境があれば組織に創造性が伝染するとも
言っている。革新(イノベーション)をもたらすには創造性は欠かせない。やはり環境作りが大切である。
8「非・常識」の項で面白かったのは常識の問題点。常識に従えば何も考えなくてすむ、自動運転装置のようなもの、その代わりありきたりの成果しか出せない、と。
常識に従っていれば楽である、余計なエネルギーを消費しないから疲れない。しかし成功するなら常識を捨てなければいけない。これは「千円札は拾うな。」にも共通している。
11もある「考える習慣」だが、一度に全部実行するのは難しい。いろんな場面で都度、本書を開いてチェックシートのような使い方をすれば効果的かも知れない。
○印象的な言葉
・「思考法」を変えれば、「感情」を変えられ、ひいては行動を変えられる
・「勝ち組」と付き合うことの大切さ
・得られる成果は設定するハードルの高さで決まる
・「その他大勢」は何も考えていない
・「考える場所」をもつ。「考える時間」を確保する
・無関係と思われることどうしのつながりを見出す
・創造性は加齢とともに失われていく
・確信に満ちた男は退屈だ
・未来を予測できないから戦略を策定する
・従業員はすぐれた事業計画をもったビジネスリーダーについていきたいと思う
・たいていのことは前例がないだけ。不可能は可能にできる
・ワンランク上の夢をもつ
・他人に役立つこと、誰かの成功を手助けすることは最も気高い仕事
・美しい志は生き続ける
・大きな視点で動いたほうがエネルギー値は高くなる
・サラリーマンは言われたことをこなすだけ、ビジネスマンは自らプロジェクトを立てられる人
-目次-
T 「考える習慣」を変えると、人生はここまで変わる
1「自分を変える」のはそれほどむずかしくない
2 自分のレベルをもう一段上げる「考える習慣」
3 いい人生に不可欠な「正しい土」と「正しいタネ」
U 成功者の“秘密マニュアル”11の「考える習慣」
1 大局的に考える習慣
2 集中的に考える習慣
3 創造的に考える習慣
4 現実的に考える習慣
5 戦略的に考える習慣
6 前向きに考える習慣
7 反省して考える習慣
8 「非・常識」に考える習慣
9 「アイデアを共有」して考える習慣
10 利他的に考える習慣
11 実利的に考える習慣
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