読書メモ

・「夢を実現する戦略ノート
(ジョン・C.マクスウェル:著, 齋藤 孝:訳、三笠書房 \1,400) : 2006.04.30

内容と感想:
 
原書の題名は「Success Journey」。1章で「成功とは旅である」と定義している。自分の使命を自覚し、自分の能力を最大限に発揮して、常に変化と成長を遂げていく。 そのプロセスを一生をかけて行うのが成功した人生だと言う。 夢を実現し、成功を収めるには戦略が必要だ。ということで”世界のメンター”と呼ばれる著者が成功のためのノウハウを記したのが本書。
 目次だけ見ると訳者の齋藤氏がよく用いる”〜力”のオンパレードで戦略というより個々の戦術ではないか?とも思うのだが、 「戦略ノート」という言葉は4章で初めて登場する。そこには戦略ノートの具体的な書き方が示されている。戦略ノートに書くこととは、次のようなこと:
・自分の夢を実線で、締め切りを入れて書く
・「今の自分」の資源を洗い出す(自分の強み、払うべき代償)
・夢、実現への「理念」を書く(手帳に書く、机の前に貼る)
・成功への旅の進行度をたえずチェックする(計測できること。時間制限をつける)

こう書くと特に目新しいことでもないように思えるが、結局大切なのは心の持ち方ということになる。 ノートに書いた夢を現実のものとするために努力し、進捗状況を絶えずチェックし、反省し、軌道修正して、一歩一歩確実に夢に向かって進んでいくのだ。 他の章では、成功のためのヒントがたくさん詰まっている。
 1章では”成功者の三大鉄則”、専門家になるための4つの行動指針が示されている。 2章では夢を見つけるための5つのステップ、 3章では積極的な人の7つの特徴、自分をコントロールするための5つのテクニック、 5章では人間的成長のための10の行動指針、そして 6章では失敗を飛躍のバネに変えるための10の心得、などなど。成功を目指す人にはきっと座右の書となることは間違いない。

○印象的な言葉
・成功とは目的地へ到達することではなく旅そのもの
・世界はその人の持つビジョンの範囲によって決まる
・他人と夢・ビジョンを共有するには全体を見渡せるような絵を描く
・リーダーとは影響力
・自分の潜在能力という山を一生登り続ける
・いくつになっても理想の自分を目指すのに手遅れということはない
・人生は一方通行だ。過去には戻れない
・恐怖と戦うための努力は95%は無駄である
・真の英雄とは自分自身を乗り越えることが出来る人
・いつかはその仕事を任せたいと思う人と一緒に仕事をする

-目次-
1章 必ず頭角を現わす人の「人生戦略」とは?―まずは成功の“三大鉄則”を頭にたたき込む
2章 自分の力を効率よく活かす「集中力」―エネルギーは“ピンポイント”で注ぐ
3章 不可能を可能にする「突破力」―これが「信念の魔術」の使い方
4章 成果が倍増する「段取り力」―人生にリハーサルはない。この戦略ノートをまねろ
5章 常に前進する人の「進化力」―成長が加速する「習慣」を持つ
6章 新局面を切り開く「失敗力」―プレッシャーを「結果」につなげる法
7章 快進撃を続けるための「洞察力」―この“成功標識”を見逃すな
8章 自分の器を大きくする「指導力」―「次の時代」をつくる情熱を持て