読書メモ
・「何のために働くのか」
(北尾 吉孝:著, 致知出版社 \1,500) : 2007.05.06
内容と感想:
これから社会に出て働く人、既に仕事に就いているがやり甲斐が感じられない人たちに読んでもらいたい本。
「はじめに」で書かれているように「若いときから確固とした仕事観をもつことが重要」であることを
若いときに知り、そのために本書のような本を通して学んでいけば、よりよい人生を歩めることであろう。
著者は本書を「迷える若者が仕事に生き甲斐を見出す切っ掛けになってくれれば」と願って書いたそうだ。
先に読んだ著書「中国古典からもらった「不思議な力」」でも知ったことであるが、
著者は幼い頃から古典に親しんでいたそうで、彼の仕事観も古典を通して築かれたもののようである。
勿論、書物で学ぶだけでなく実社会において実践し、行動し、経験を通して更に深化させていかれた。
著者のような経営者としては社員の人材育成の大切さを実感されているだろうし、
社員を採用する場合にもしっかりした仕事観をもった人材を採用したいことであろう。
だから社会人になる前からこういう本に触れる機会を作り、人間を磨いておいて欲しい、
それも使命と考え、著者は筆を執ったものと想像する。
○印象的な言葉
・人間としての成熟、人間の深み、人間探求、人間性を高める、人格を高める、魂を磨く、品性、人生修養
・よりよく生きる
・大きなことを考える
・躾、習慣
・続けること、小さなことの積み重ね、相続心
・精神的な気高さ
・人生経験の重み、洞察力
・心を練る、根本を養う
・信仰をもつものは人間について深く考えているもの
・一芸に秀でる、奥深さ、重み、誇り
・天は必ず見ている、自らを律する、天を恐れる
・人間は自己を一番失いやすい
・人は一人では生きていけず、周りによって生かされている
・天命を悟り、それを楽しむ心構え
・ブレない判断基準:信・義・仁(信頼、正しいこと、思いやり)
・書物は時空を超えて先哲の教えに学ぶことを可能にする
・人間としての成功とは自分の使命をまっとうすること
・天命を発見しようとする熱意と意志を持つ
・全ての試練が自分の人間的成長を促してくれている
・「勝者がすべてを取る」ネットの世界の経済原理
・建設的な提言を自分への批判、反抗と受け取る小さい人間が多い
・失敗するのが当然、世の中の90%は思うようにはならない
・自分の行いが「天を仰いで恥じず、地に伏して恥じず」なら、それでいい
・「天を怨みず、人をとがめず」自分のしたことの責任は自分でとる
・古典に親しむことはビジネスマンの必須テーマ
・人間的成長の原動力の第一は「憤」
・仕事は一つの行
・日本人の精神性を美学までに高めたのが武士道、神道・儒学・仏教をうまく融合して練り上げてきた
・商売にも道がある
・全部運がよかったと思いなさい
・他人がどう見ようとどうでもよい。全ては自分の問題。自分次第。
-目次-
第1章 人間は仕事の中で成長する
第2章 古典が教えてくれたこと
第3章 あえて艱難辛苦の道を行く
第4章 誰でも仕事の達人になれる
第5章 天命をまっとうして生きる
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