読書メモ
・「にほんごであそぼ 雨ニモマケズ」
(齋藤 孝:著、集英社 \1,400) : 2007.04.04
内容と感想:
「声に出して読みたい日本語」の幼児版である。
著者はNHK教育テレビの「にほんごであそぼ」を企画・監修している。
この番組は幼児向けだが、野村萬斎や小錦らが出演し、日本語の面白さを
子供たちに伝えたようだ。私もたまたまテレビで見たことがある。
本書の内容は「声に出して読みたい日本語」シリーズを踏襲しているが、子供向けだからといって
決してレベルを落としているわけではない。レベルよりも、より子供たちが楽しめるように工夫されている。
本書の特徴としてはまず、本時代が真四角(正方形)という珍しい形態であること。
また、佐藤卓氏が担当した本文の構成。アートである。
宮沢賢治の作品に出てくる「どっどど どどうど・・」というような特徴的な言葉の数々が
ときに踊るようにレイアウトされ、見ているだけでも面白い。
親子で楽しめるだろう。小さな子供がいる家には必携の書である。
ポイント
・暗誦文化の復活
・レベルの高い日本語を小さいうちから身体に入れる
・宮沢賢治は擬声語、擬態語の作り方がうまかった
・落語の原点は仏の話を分かりやすく伝えるためにオチをつけた説法
・決めゼリフ
・孔子は人生で一番大事なものは恕(じょ)=思いやり、だと言った
・最盛期には京都に5、600人の琵琶法師がいた
・「紫式部日記」では清少納言の悪口も書かれている
・さび:静けさを味わう発想。枯れて淡い感覚
・不易:時代を超えても変わらない本質。松尾芭蕉。「不易流行」
・旅=家
・南総里見八犬伝(滝沢馬琴)は江戸後期のSFファンタジー。全106冊。28年がかり。
・人は海から来た。死んだら海に帰る
・古典派いつも新しい
・太平記は歴史アクション巨編40巻
・聖書は世界暗誦文化の中心的一冊
・行友李風はちょっとした事件を物語化する敏腕。
・昔の人は蛍の光を死んだ人の魂が帰ってきたと見た
・五十音図は平安中期には出来ていた
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