読書メモ

・「頭がいい人の「自分を高く売る」技術
(樋口 裕一:著、角川Oneテーマ21 \686) : 2006.05.07

内容と感想:
 
ご存知「頭がいい人、悪い人の話し方」の著者。人生を切り開いていくために、まず第一歩として自分を「頭がいい人」に見せることにより、 自分を売り込んでいこう、というのが趣旨の本。
 序章で「頭がいい」の定義を「他人を理解し、他人とコミュニケーションをとり、物事をしっかり理解し、きちんと仕事をこなして生きていくこと」としている。 また、あとがきでは「自分の中にあって、もっと開発するべき能力を開発していること」とも表現している。 日本では謙虚が美徳であり、自分をアピールするのが苦手な国民性と言われる。内面を大事にするのはいいことだが、その能力が外に向かって発揮されないのでは 意味がない。自己研鑽に励んで自分は能力があるのに他人に認められない、と鬱屈していても何も変わらないのだ。生き方が下手といわれても仕方がない。
 著者も人に評価されるのを待つのを止めて、自己主張するように心がけるようになって人生が好転したそうだ。 しかし外見で「出来る人」と思わせるだけでは苦しい。それをチャンスに変えて新しい仕事を勝ち取ったのであれば、 それを必死にやり遂げなければ、後ではったりだったと言われかねない。自分を出来る人に近づける努力が必要になる。そこで成長できるわけだ。 これを好循環させることでどんどん人生が切り開けていく、ということになる。
 第3章では人の話を聞くときに気をつける4つのポイント、自分を高く見せる思考法を4つ、高く売るための文章術・6つのコツ、プレゼンテーションの4つのポイント、 知識を身につけるためのポイント2つが挙げられている。 第4章では人間関係の心得を5つ、困った新入社員の対処法6つのポイント、趣味を利用して自分の評価を高める3つのポイントを挙げている。 第5章は「禁じ手」に近いが、相手より優位に立つ7つの方法、周り人を利用して自分を高く売る4つの方法、表情や態度をつくる2つの方法を紹介している。

○ポイント
・人は日常のさりげない会話で相手を評価しているもの
・自分が「頭がいい」と感じている人を観察し、参考にする。口ぶり、表情、考え方など
・ポストが器を大きくする
・説得力を持たせる。事実、数字などの記録、裏づけが欲しい。ディテールのリアリティも必要
・誰でもが演じやすいのは秀才型より大器型。人の話をよく聞いて、最後に一言だけ口にする。または人と違うことを言う。
・相手がこれから話そうとしていることも取り込んで先んじて話す
・論じるとはイエス、ノーを明確にすること
・人と違う発想をする。まずは疑ってみる
・感情的になると理性、利害を忘れてしまう
・趣味の世界でも手を抜かない
・なんとなく出来た上下関係を引きずらない
・どっしり構えて、「すべて想定内」という態度
・自分の力はこの程度ではない、と考える

-目次-
序章 頭がいいと思われるだけで得をする時代がきた
第1章 あなたの評価はこんなところで決まる
第2章 自己PRの達人から「自己演出力」を盗む
第3章 自己アピールで自分を輝かせる
第4章 人間関係で他の人より上手に得をする
第5章 「頭がいい人」と他人に感じさせる「禁じ手」を使う
終章 自分を演出して人生を何倍も楽しむ