読書メモ
・「頭がいい人、悪い人の話し方」
(樋口裕一:著、PHP新書 \714) : 2005.11.19
内容と感想:
著者は作文、小論文などの指導をされている方で塾も主宰されている。少し話をするだけで相手の知的レベルが分かるそうだ。
それは何も著者の特技ではなく、普通の人でも相手に対する最初の印象は正しいそうである。ちょっとした会話に知性が現れる。
話す相手によっては自分は愚かに見られているかも知れないとは恐ろしいことだ。
「あとがき」で書かれているように、著者は文章のプロだが、会話と文章の共通点に気付いた。
著者自身は口下手だそうである。そんな話し下手だからこそ、人々の話し方を観察し、見習うべき、または反面教師にすべき話し方を意識するようになったそうだ。
では話し方に知性が現れるようにするにはどうすればよいのか?訓練するしかない。
知的に考える習慣を付け、知的に思考するようになる。
本書では愚かな話し方のサンプルを集めている。様々な愚かな話し方の40の例を挙げ、相手にそういう話をされて迷惑を被った場合の対処法や、
自分がそういう話し方をしていないかを自覚するポイント、改善法などを解説している。
目次を見ると、単にいやなヤツを列挙しただけのようにも見えるが、「周りにもこういう人、いるいる」と面白がって読むのもありだろう。
また、困った話し方をする人にこっそり、この本を読ませて自覚してもらうのもよいかも知れない。
そして自分も反省します。ついつい迂闊なことを言ってしまって、言ってすぐに、しまったと思うこともある。
生きていく上でコミュニケーション能力は必須である。本書は自分だけでなく組織のコミュニケーションスキル向上にも役立てていけるのではないか。
印象的な言葉:
・自分の頭で分析、理解、判断する、受け売りでない自分の意見
・知性の底が浅いと愚かに見える
・他人の価値観を許容する、互いを認め合う、心の交流
・根拠を示す、対案を示す
・現実世界の摩訶不思議さ、欲望や社会的矛盾を知る
・多くの情報を集める、生半可な知識を振り回さない
・具体例を示す、誰にでも分かるように話す、相手のレベルに合わせて話す
・知的さ: 内容の深さ、鋭さ、的確さ
・感情を制御できないのは大人ではない、理性的に判断する
・決断力
・理想、理念、人生観
・人間は弱い、欲望に負ける。だからこそ欲望に負けない制度を作ろうとする。
・薄っぺらな奇麗事、無内容
・伝えたいメッセージは何か
・差別は差別される人を知らない所から発する
・批判精神を持て。思考停止に陥るな
・みんなにいい顔は出来ない。安請け合いしない
・自分はバカだと、そこに安住するのは甘ったれである
-目次-
第1章 あなたの周りのバカ上司
第2章 こんな話し方では、異性が離れていく
第3章 絶対に人望が得られない話し方
第4章 こんなバカならまだ許せる
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