読書メモ

・「採用の超プロが教える仕事の選び方人生の選び方
(安田 佳生:著、サンマーク出版 \1,300) : 2006.7.30

内容と感想:
 
「はじめに」によれば前著「採用の超プロが教えるできる人できない人」は経営者や採用担当者に読んでもらいたくて書いたそうである。 実際には若手ビジネスマンや就職しようという学生にも読まれたそうである。 本書はそんな若手ビジネスマンや就職しようという学生に、自分に秘められた無限の可能性に目覚め、人生の主導権を自分の手でしっかり握って欲しい、 との願いで書かれた本である。
 自分の人生を充実したものにするためには自分の価値観を大切にして、自分の判断基準をしっかりもつ必要がある。 人生の大部分は仕事に費やされる。そのためにも仕事選びは大事なのだが、どうしても就職活動は会社選びになってしまう。 学生に人気のある企業ランキングは毎年似たようなものだが、有名企業に就職できたから幸せな人生が保証されるわけではない。 そこで自分をどうやって活かすかが問題。そのためにも本書を読んで、仕事選びについて考え直すのがよいだろう。 著者個人の価値観も多く記されてはいるが、おおかた共感できる。
 第4章の「人材育成は底上げより、トップ走者にどれだけどれだけ先を走らせるかである」というのは興味深い。 これは先端技術開発が事業の柱である企業であれば当然なのかも知れない。 先を走れる人材がその企業をリードする。後追い、2匹目のドジョウ狙いの企業であれば底上げ戦略でよいのかも知れないが。 自分の会社をそれらのどちらにしたいかという経営者の選択が企業の行方を占うのだ。この章は経営者にも読んでもらいたい。

○印象的な言葉
・ソニーに入るよりソニーを創るほうがカッコいい
・貯金より能力の貯蓄
・無駄の効用
・未来が過去の評価を変える
・辞められたら困る人材に。フリーになれるだけのスキル
・ギラキラからキラキラへ
・社員数が100人を超えたら企業文化は作れない
・人生を楽しもうとしない人に仕事は出来ない
・人生はいつでもギアチェンジできる
・自分の時間を使う、それは自分の寿命を削っていること
・時間を切り売りするより、プロとして厳しく自由に生きる
・逃げない、ずるくない、自然体
・会社で貯めたお金は社員みんなで使えばいい
・まだ試されていない能力や才能は山ほどある。自分の可能性を信じる。プラス志向
・成功者は限りなく成長し続けるノウハウを身につけた人。習慣のレベルが高い人。いい癖をもった人。頭のいい人ではなくやる気のある人。
・失敗に気付き、修正するノウハウ。失敗は成長のチャンス
・できる人はエネルギーのある人。人生の目標バーが高く、モチベーションを保ち続けられる人
・どんなに世の中が変化しても正しい思想や価値観は変わらない
・経営者の人柄、人間性の大切さ。社長も一つの職能としてのスペシャリスト

-目次-
第1章 仕事選びは人生選びだ
第2章 「根拠のない自信」を信じてこそ人生
第3章 「仕事選び」の勘違い、「能力の高め方」の大間違い
第4章 社員の価値を高める魅力的な経営者の条件
第5章 「自らハンドルを握る人生」をつかみ取るための心構え