読書メモ
・「続弾!問題な日本語」
(北原保雄:編、大修館書店 \800) : 2006.02.04
内容と感想:
ベストセラーの前作「問題な日本語」に続く第二弾。タイトルを”続弾”と捻っているのも言葉遊びでニクイ。
前作で取り上げられた言葉以外にも、気になる日本語が世の中にはまだまだたくさんあるようだ。
今回取り上げているうちでは「ありえない」、「まじ」、「微妙」などは私も普段使っているのでドキっとさせられる。
フォーマルな場面では使用をためらう言葉ではあるが。
一方、「普通においしい」、「やばいよ、この味」など若者言葉には私は違和感を覚える。どうやら肯定的な意味で使われているらしいのだが、
私の感覚では否定的にしか聞こえない。
また、よく公の場所で見られる貼り紙「おタバコはご遠慮させていただきます」は一見、問題ない表現のように思えるが、
文法的には誤りで慇懃無礼な表現とされる。もっとシンプルに「おタバコはご遠慮ください」とお願いする表現で十分のようだ。
違和感があるが、それがどこが変なのかはっきり分からずモヤモヤしていたことが、
本書のように文法的に分析し、解析してもらえるとすっきりする。
若い人がおかしな表現で話しているのを聞くと、将来のためにも直して上げたいと思うもの。
そのためにも論理的に誤りを正してあげる必要があるだろう。
少し前に、”絶対音感”というのが流行ったことがあったが、(××と言う表現は変だと感じる)”語感”という単語が本書では見られる。
こちらもある種の感覚を意味するものだが、言葉を扱う職業の人は普通に使う用語なのだろう。
語感は日頃から本を読んだり、意識してしないと鍛えられないものだと考える。
○ポイント
・目出度いときに使われる鯛の”尾頭付き”(”御”頭ではない。)
・何にでも「〜っぽい」、「〜くさい」と言うのは、表現の豊かさが失われ、貧相な印象を与える
・「見れる」、「出れる」、「来れる」などのラ抜き表現は言いやすく、頻繁に使われるようになっているが、勿論、文法上は正しくない
・おもわく:「思わく」と書くのが本来の形。「思惑」と書くのは当て字で、更にこれを”しわく”と読むのも誤り。
|