読書メモ
・「日本語力と英語力」
(齋藤孝+斎藤兆史:著、中公新書ラクレ \720) : 2005.02.06
内容と感想:
両サイトウ氏による対談集。話題は英語教育。斎藤兆史は英語が専門だが、孝氏のほうも英語教育にも興味を持っている(既に「からだを揺さぶる英語入門」という本もある)。
両氏とも現在の義務教育における英語教育には共通の問題意識をもっていて、その上でそれぞれが提言してる。
この本で知ったのだが、最近は日常会話重視、文法軽視の傾向があるそうで、教科書も昔とは様変わりしているそうである。このような現実に二人は本書を通して、
・口語表現、英語シャワー、コミュニケーション重視は誤りである
・外国語教育は国語(日本語)教育の基礎がなければ効果がない
・素読、暗誦、型、反復練習が大事
だと主張する。
今、学校で教えられている英語は実用重視で文法を軽視しているため、系統的に説明しづらくなっており、型が身に付かないため応用が利かない。単なる「英語ごっこ」、「実用性のみを追求する安直な英語」だとピシャリ。
英語に限らず何事も上達のための基本は同じであり、その法則は応用が利く。先人達から受け継ぎ、彼らが古来から行ってきた手法は今も有効であり、そこへ立ち返るべきだろう。それが素読、暗誦、型、反復練習といったものである。何事も基礎固めが大事なのだが、現代のこどもたちを甘やかすことなく、現代に合った有効な教育とは何か見直す必要があるのだろう。
また、ただ英語が喋れればよいというものではなく、英語に限らず論理的に話せることが大事で、そのためにも母国語に支えられた思考能力の向上も大事だろう。
-目次-
1章 英語力の基礎は日本語力
2章 英語教育のここを改めよ
3章 上達の法則
4章 右手に素読、左手に文法
5章 日本の教育を変える斎藤メソッド
6章 教材選びのポイント
7章 「本物」だけを見続けよ
8章 21世紀の「英語達人」のすがた
|