読書メモ
・「からだを揺さぶる英語入門」
(齋藤孝:著、角川書店 \1,380) : 2004.05.01
内容と感想:
最近、NHK教育の夜の番組に著者が登場しているのを見た。著作でしか知らなかった人だが、実際に動いている姿を拝見すると、よりいっそう親しみが湧くのだが、想像していたように面白そうな人物であった。
著者の専門の一つが教育学であり身体論であるが、既に日本語テキストの朗読の効用を説いた著作がいくつかある。著者の興味は尽きず、次は英語にまで領域を広めてきている。本書の狙いはただ英語を朗読するのではなく、更に体を動かすことで「英語の身体」へモードチェンジしよういうもの。その体の動かし方の一つは歩くことだが、歩きながら英文を読む技法を「Walking English」と呼んでいる。五感を駆使し、反復することで効果的に身に付く(定着する)ことは科学的にも証明されている。本書はそれの応用の一つに過ぎない、と言えばそれまであり革新的なメソッドとも言えない。が、著者のゼミの学生や私塾の小学生らを対象にした実証実験を通して、その効果を確信しているようだ。世には数多くの英語学習法があるようだが、著者の知名度もあって「齋藤式」は、それら中でも急速に認知されるかも知れない。
前半は著者の提案する英語習得術である。後半は著者が厳選した英語のテキストである(CDにはこれらが朗読が録音されている)。
本書を読んで思い出したのは、中学生のときに英語教科書の暗誦コンテストのようなものに出場させられて、猛練習をしたことだ。今となっては出だしの部分しか思い出せないが当時はそれなりに英語には自信があった。しかし現在はお粗末な状況である。
-目次-
T 英語には英語に向いた身体性がある
U なぜ歩くのがいいか
V 実際にからだを動かそう
W 深い呼吸・歌う身体
X 英語学習よりもっと大きな問題への処方箋
(朗読CD、別冊テキスト付き)
更新日: 04/05/09
|