読書メモ

・「まずこのセリフを口に出せ!! ビジネスハンドブック」
（齋藤孝：著、講談社　\1,300） : 2004.11.06

内容と感想：
　「声に出して読みたい日本語」の著者であるだけに、声に出すことの効果をよく理解している。本書もまずは声に出す、気合の入るセリフを口にしろ、と言う。身体論が著者の専門の一つという事もあって、声に出すことで脳を刺激し、更に公にしたことで責任が生まれ、自分を追い込む、という効果を説いている。
　しかし、本書は題名にに掲げた声に出すことの重要性よりも、もうひとつの「ビジネスハンドブック」的な位置付けの比重が高いと感じた。各章は更に細かい項目に分けられているが、それらが全て口に出して効果的かというと疑問である。少々、コジ付けが過ぎるかといった印象を受ける。また、これまでの著作のポイントをピックアップして、ビジネス用途へ再構成したといったイメージになっている。まあ、初めて著者の本を読んだ方なら気にはならないだろう。これまでの研究の集大成、といっては大袈裟だが、こういった本の売り方もあるのだと感心した。私にとってはほとんどこれまでの著作で読んだ内容であったから残念ながら、余り新鮮さが感じられなかった。
　新入社員が社会人としての手引き、みたいな感覚で使うのもよいだろう。もちろん社会に出て長い方にもヒントを与えてくれるだろう。

-目次-
第一章　エネルギーを生む方法
第二章　脳みそを鍛える力
第三章　リーダーシップ強化論
第四章　コミュニケーション術
第五章　モチベーションを高める方法

更新日： 04/11/06