読書メモ

・「心理カウンセラーをめざす前に読む本
(富田富士也:著、\1,500、学陽書房) : 2004.02.17

内容と感想:
 
私が最近、カウンセリングに興味を持つようになったのは、カウンセリング技術が仕事や日常生活でも有効なのではないかと思うようになったからだ。専門外の私のような会社員でもきっと役に立つこともあると感じていた。まさに本書では「生活そのものがカウンセリングのトレーニング」であると、「カウンセリングの生活化」を勧めている。日常そのものがカウンセラーになりたい人には実地の教材になるのだ。本を読むだけが勉強だけではない。また、「豊かなコミュニケーション作りの営み」としてカウンセリングマインドを捉えている点には共感させられた。職場や学校でストレスを抱えて苦しんでいる人の多くはコミュニケーション不全が原因だと言われる。私も決して他人とのコミュニケーション上手とは言えない方であり、悩みも多い。話しを聞いてもらいたいこともあれば、逆に聞いてあげられていればなあ、と思うこともある。カウンセリングの面白い点は相談される人も実は相談してもらっていて、お互いにカウンセラー的な役割をしているようでもあることだ。クライアントから学ぶことも多いわけだ。

-目次-
第1章 カウンセラーってどんな仕事?
第2章 「カウンセリングマインド」ってなんだろう?
第3章 カウンセリングの現場から
第4章 カウンセラーに向いている人、向いていない人

 著者は経験豊富なカウンセラーとして活躍しておられる。クライアントが話しをしてくれるまでが大変。話しをしてくれるということは相手にしてもらえる、ということだから。寡黙な人が相手ならもっと難しい。逆に赤の他人だから話せるということもあるようで、面白いことを著者は言っている。フーテンの寅さんが「”行きずり”の旅人ゆえの安心さ」から、他人が深い胸の内を開かすのと同じなのだと。そしてそういう場所としての相談室を作りたいと。

更新日: 04/02/22