読書メモ

・「3日でわかる歌舞伎
(三隅治雄:監修、野上圭:著、\1,400、ダイヤモンド社) : 2004.02.28

内容と感想:
 
TVで歌舞伎が放送されると必ずビデオに撮って見るほど、好んで観る方である。生で観たのは一度きりだが、東京にいた頃はいつでも観に行けると思っているうちに、その後はついに一度も劇場に足を運ばぬうちに信州に移住してしまった。さて、本書は歌舞伎を3日で理解しようという目的で書かれていて(3日で分かろうとはムシのいい話なのだが)、初心者が歌舞伎を観る前の予習として、あるいは、その魅力にはまり始めた人には興味を持って読める話題が詰まっている。最近よくある構成の見開き2ページに図表を駆使した解説もの。歌舞伎の魅力にいろんな角度から迫り、みなが疑問に思うような事柄を平易に解説していて楽しめる。
 歌舞伎を保守的で古臭い伝統芸能だと思っているのなら、まずは偏見なしで観て欲しいもの。古い言葉遣いなどはすぐには理解できないかも知れないが、総合的なエンターテインメント性に何か感じるところがあるはずだ。視覚と聴覚に迫る洗練された演出、様式美、美意識、言語感覚など。江戸時代から大衆芸能として息長く続いてきた理由がわかるかも知れない。

-目次-
第1章 初心者のための、歌舞伎って何だ?
第2章 歌舞伎雑学アラカルト[舞台&音編]
第3章 歌舞伎雑学アラカルト[知ったかぶり編]
第4章 これだけは観ておきたい、おすすめ十番

 知らなくとも生きていける雑学、無駄知識が山盛りであるが、知っていた方がより人生の楽しみは広がる。

更新日: 04/03/02