読書メモ
・「ゲーム屋のお仕事
〜それでもゲーム業界を目指しますか?」
(島国大和:著、毎日コミュニケーションズ \1,500) : 2004.12.12
内容と感想:
現役の業界人が語るゲーム業界の裏話。4コマ漫画も折り込み、自分の不幸を面白、可笑しく書き綴っているだけのようにも見える。表では華やかで明るいイメージのTVゲーム/コンピュータゲームの世界ではあるが、製作に関わっている人たちが如何に苦労をしているかを垣間見ることができる本。
「おわりに」では「ただの笑い話と読めたならなお幸い」といっているが、同時に副題にもあるように「ゲーム業界で働くのは覚悟が必要」だと思ってもらえればよいと言っている。これは何もゲーム業界に限ったことではない、どこの業界でもそうだろう。一つの業界で働いていると他のことが分からないだけで、どこにも普遍的なものがあるようだ。だから畑違いの私でも本書を面白く、一方で我が身に重ね合わせて、考えさせられながら読める。製品の違いこそあるが、私も似たような世界で働く身であり、未熟な業界という意味での苦労に同情する。
最近はゲームにまったく興味がもてない(唯一、ウォッチし続けているのは「信長」シリーズだ)。最近、任天堂やソニーから新型ゲーム機の発売が始まったばかりだが、結局、ユーザにやりたいと思わせるソフトが大事なんだろうと思う(今のところ買ってまでプレイしたいとは思えない)。
日本では少子化も進み、まさにこの業界は縮小に向かっている。一方でゲームはより面白く、高品質、複雑さを要求され、開発費は膨大になっていく。この業界も最早、他の古い業界と同じく成熟期に達してしまった様相である。ゲーム製作は創作活動であるから、サラリーマン的発想で作っていては、面白くて、売れるソフトにはならないだろう。現場も矛盾で満ちていることであろう。かつてのゲーム世代が大人になっているとは言え、2番煎じだけでは今後もう、ゲームは売れない時代だろう。そこにゲーム業界の苦悩がある。
-目次-
Part 0 ゲームバブルとその崩壊
Part 1 ゲームで食おう
Part 2 ゲーム会社とは
Part 3 さぁ 働こう
Part 4 プロジェクト胎動!ヘンな奴らが集まってきた
Part 5 ゲーム作りの最初の一歩
Part 6 無駄に忙しい
Part 7 最後の最後
Part 8 これからのゲーム業界
更新日: 04/12/19
|