読書メモ
・「日本地図から歴史を読む方法2」
(武光誠:著、\667、KAWADE夢新書) : 2004.02.08
内容と感想:
日本史と地理は密接な関係がある。日本史上の大事件が起きた場所をよく見れば、起きるべき場所で起きるべくして起きたと言える。地勢・地理が重要な要素の一つなのである。本書では、例えば有名な天下分け目の戦い・関ヶ原合戦はなぜ関ヶ原で行われたのか、など地形から歴史を捉え直そうとしている。
採り上げられているトピックはよく知られている出来事ばかりであるが、視点が地形から考察したものであるから、楽しみ方も微妙に違う。ボリュームも手ごろで、さらっと読み流すことが出来る。
現在の地形が昔の地形とはだいぶん変わってしまっているものも多い。安土城などは昔は琵琶湖畔にあったといわれるが、干拓などで水辺からは随分後退してしまっている。今となっては当時を想像するしかない。
-目次-
1 天下を分けた戦の勝者の地理と敗者の地理
2 武将たちは合戦場をいかに駆け、勢力図をどう塗り変えたか
3 列島の地勢が左右した文化・経済の発展ルート
4 彼らは、なぜその地で時の権力に反逆したのか
5 日本の外交の歴史をものがたる地図たち
地理とは関係ないのだが、興味深かったのは「本能寺の変」への著者による異説。朝廷・光秀・家康の三者の間に密約があった、というもの。密約があったとしても光秀に本当に天下を取るつもりがあったのか?家康が光秀を支援する様子も、彼に取って替わろうとする様子もなかったし・・・。結果的に秀吉に横取りされてしまっているのでは、稚拙な密約としか言えないのではないだろうか。
更新日: 04/02/08
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