読書メモ
・「Web3.0への会議」
(サティー・ポッター、アイボーイ:著、ゴマブックス \1,500) : 2008.07.20
内容と感想:
「Web2.0」という言葉もだいぶ使い古されてきた印象だが、本書はタイトルにあるように
その先を見つめている。しかし、その試みが達成できているかどうか、というとやや疑問である。
本書は現在「Web2.0」ビジネスに関わっている多くの人へのインタビュー集である。
ヘビーユーザやサービス提供者たちの現時点での考えを知ることができるため、
Web2.0の今後を考えるヒントにはなるだろう。
どんなSNSやブログなどがどんな使われ方をしているか、どんな工夫をしているか、どんなところが課題なのか、
将来への展望など様々な声を聞くことができる。
Web2.0といってもSNSやブログだけではないが、形は変わるかも知れないが
便利なツールとして今後も進化し使われていくことは確かだろう。
読後に感じるのは、やはり溢れる情報の中から信頼性の高い情報をいかにして
効率的に取得できるか、というのが課題であり続けるだろう、ということだ。
○印象的な言葉
・アイボール(目玉)戦争。人間の目をメディア同士が奪い合っている。イア(耳)シェアリング戦争、タイムシェアリング戦争
・他人との関わりでどれだけ多くのことを残していけるのか
・サイドストーリー、スピンオフ企画、外伝
・ケータイからの気軽なポッドキャスト作成
・ドキュメンタリー風の発信
・ネットでのオーディション
・ケータイプリンター:Pivi(富士フィルム)
・死後も永続して残るブログ
・オンデマンド:いちでも見ることができるから、いま見ないでもいいや(見てもらうチャンスを逃す恐れ)。←→TVやラジオがもつ「今しかない」強み
・車で聴くラジオはネットとリンクしにくい
・マイクロペイメント:個人間のより小額な取引(PayPal)
・ソラトリ:空を撮ってコメントとともにアップするだけのコミュニティ
・神は細部に宿る
・グループウエアとSNSのコラボ。ナレッジマネジメントとして。
・地域SNS:地域振興・活性化。オフライン活動しやすい。何かあったらすぐに会いやすい。地域データ貯蔵基地
・コミュニティのユーザ:このサイトは自分たちが作っていると言うマインド
・マスメディア:取材網をもつコンテンツメーカーとしての強み。情報の一次提供者。プロとして使える時間の差=クオリティの差
・実名、匿名は情報の質には関係ない
・ただのデータもコンテクストを付与することで価値が上がる
・コンテンツの選定、評価、交渉
・メディエイター:異なる価値を双方向に翻訳し、コンテクストを醸成していける人
・人の関係性の中で情報の信頼性が担保される
・小さい画面で見るときはカットは短いほうがいい。アップを多用したほうがいい
・本格的なジャーナリズム志向のメディアがネットに出てくるか?
・mixi:規模が価値になるサービス
・ソーシャルネットワークは昔からある概念でコンピュータ用語ではない。
・移り気、気ままな群集
-目次-
chapter 0 プロローグ Web2.0とは?
chapter 1 ヘビーユーザー活用の極意
chapter 2 SNS、Web2.0サービス提供者たちの戦略
chapter 3 Web2.0の行方
chapter 4 エピローグ 総括
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