読書メモ
・「レバレッジ・リーディング 」
(本田 直之:著、東洋経済新報社 \1,450) : 2008.04.05
内容と感想:
著者はその名も「レバレッジコンサルタント」という会社の経営者である。
読書を投資活動と捉え、毎日読書を欠かさないと言う。
つまり本から得たことはパーソナル・キャピタル(自分の資本)になるということだ。
株なら暴落することもあるが、読書なら何かしら得るものがある。たまにはハズレ本に当たるが。
景気が悪くなろうと、デフレになろうと、その価値は目減りしない、とはうまく言うなと思った。
習慣にし継続することで多くのリターンをもたらしてくれる、と言う。それがタイトルにある「レバレッジ」(梃子の原理)だ。
従って読書代(本代)は「生き金」となる。
本書ではその投資物件であるビジネス書の効率的な探し方と買い方、
新聞・雑誌の書評やインターネットの活用法、読書後のフォローと利益を生み出すための活用法など、
いつも著者が実践しているノウハウが書かれている。
本書は読書をビジネスに活かすことを目的とした「読書術」を語っているから、一般的な読書法とは異なるかも知れない。
この本を読み終えてみて私の読書法と共通点が多いことが分かった。本田氏は未読の本を30冊くらいストックしておくそうだが、私のように
買ったはいいが単に読む時間がなくて自然にストックされていくのとは違って、意識的にやっているのだ。
また、常に本を切らさず仕入れているから同じ本を2冊買ってしまうこともあるそうで、これは私も経験したことがあり親近感。
多読が基本で、その累積効果と、本から学んだことの実践への応用の効果。
スポーツ選手と同様、日々のトレーニングを欠かせないのだ。
練習で身につけたスキルを実戦で用いることで更にレベルアップできる。
本を読んだだけでは「畳の上の水練」で自分のものにならない。自分流に応用し、活用することで、実戦で条件反射的に活用できるようになる。
特に著者は「レバレッジメモ」というものを読後に作成し、活用している。私も読後に読書メモを作成しているが、著者のように
プリントアウトして持ち歩いて、隙間時間を利用してチェックしたり、というところまでは徹底しておらず、参考になった。
私も読書好きだが、本は時に刺激を与えてくれ、ワクワクもし、悩みを解決してくれ、励ましてくれ、やる気も出る。
著者も書いているように、本を書いた人が何年も何十年もかけて体得したノウハウをわずか一冊の本から手に入れることができるのが読書のメリットだ。
ステップアップを狙うビジネスパーソンにはヒントになる本だ。
○印象的な言葉
・同じテーマについて複数冊の本を読む
・割安に他人の経験を疑似体験。実務家が書いた本
・カラーバス(Color Bath)効果。「色を浴びる」。目的意識を持って読むことで大事なところが分かる
・目的を明確にし、重要な部分だけを読む
・私のしてきたことはほとんどが誰かの真似だ(サム・ウォルトン)
・効果がなかったり、自分にあわなければ、さっさと次のやり方に切り替える
・次から次へ新しいものやより良いやり方が生まれている。自分の常識を更新していく。自分のやり方に固執せず、柔軟な精神を維持
・多読により考えの偏りを防ぐ。本を丸ごと信じない。疑いを持つ。セカンドオピニオンを求める。同じようなことが書いてあればそれは誰もが認めているということ。
・多読のほうが自分の考えや方向性にあったやり方を見つけられる可能性が高くなる
・業界が違っても一流の人のビジネス哲学には共通するところが多い。成功の秘訣は普遍的
・友人・知人から良い本を仕入れる「最近面白い本ありました?」
・友人・知人に本をプレゼントする。本程度なら相手には負担にならない。相手が読んでくれれば共通認識ができ、話が早い
・良い本は人を勇気づけ、やる気にさせる。朝の読書で朝一番にモチベーションを上げる
・制限時間を課す
・「80対20の法則」の読書への応用:一冊に重要なポイントは2割くらいにしか書かれていない。そのポイントの8割を拾えれば良しと考える。完璧主義は捨てる
・引き返す勇気:この本はハズレだと思ったら、読むのを止める
・ページの角を折るのを英語でDog Ear という
・レバレッジメモを社内の研修などで配る。人に教える、話す
-目次-
第1章 ビジネス書の多読とは何か? ―100倍のリターンをもたらす究極の読書術
第2章 本探しは投資物件選び ―ビジネス書の効率的スクリーニング術
第3章 一日一冊、ビジネス書を戦略的に読破する ―訓練不要であなたの読み方が劇的に変わる
第4章 読んだままで終わらせるな! ―反復と実践によって一〇〇倍のリターンを獲得せよ
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