読書メモ

・「やっぱり使える「ポスト・イット」!!速読・速解の技術
(西村 晃:著、大和出版 \1,400) : 2008.11.15

内容と感想:
 
著者は経済キャスターとしてテレビ・ラジオ出演や執筆、講演などをこなしているそうだ。 仕事柄、忙しい中でも常に情報収集し、資料を作らなくてはいけない状況にあった。 本書にはその著者が20年かけて作ってきたポストイットで出来る速読・速解のノウハウが書かれている。
 この本を手に取ったのも速読について急に興味を持ち始めたためである。その一環で買い求めた本の一冊である。
 ポイントは本をポストイットに要点を瞬時にまとめてメモし、 それをA4サイズのレポート用紙に貼っていく。 更に貼って、はがせる機能を活かして「新しい付加価値のあるアイデアを創出する」ことに結びつけている。 つまりポストイットを駆使した読書によって情報収集というインプットから、情報整理・保存、書類などの作成といった アウトプットする(お金にする)ところまでをサイクルにしている。これが著者の仕事術の根幹なのである。 ただ速読のノウハウを書いただけでなく、速読そのものよりも、それをどう仕事に活かしていくかについて書かれていて参考になるだろう。
 著者は読書対象を3段階に分けている。 最下層が一般新聞・週刊誌(フロー情報)、第2段階が専門雑誌など、最上位が単行本(特定の分野を深める)。 読む対象によって読み方も変えるのである。著者は常に膨大な新聞、雑誌、本に目を通されているということだ。
 本にかける「お金の無駄以上に心すべきは時間の無駄」という言葉のは、 時間の価値がますます高まるこの時代には心しておく必要がある。 つまり、内容がつまらなくても勿体無いからと最後まで読む時間のほうが勿体無いということだ。

○印象的な言葉
・(速読・速解の能力は)紙媒体で磨くしかない
・飛ばし読みしながら要点を瞬時に掴み取る能力
・一度の精読より数度の拾い読み
・問題に対する答えを探せ
・1回目に読む目的はインデックスを作ること。準備。速読に徹する
・スピードアップの鍵はキーワード読み。キーワードは前半に集中。括弧書き、アルファベット、略語に注意。
・新聞は見開きを反時計回りに読む。目線の動かし方
・3色ボールペン。肯定(要点、答え)は赤、否定(疑問点)は青
・著者とのディベートで理解を深める
・論理の流れをポストイットで組み替える
・全てを理解する必要はない。割り切り
・問題(目的)意識(関心、テーマ)を持てば知識は自然と集まる
・アウトプットに取られる時間が多い人ほど、インプットの時間が必要
・積ん読は待機している本たち。やがて必要になるに違いない
・限られた時間に必要な本を読むから集中でき、頭に残る
・(情報に)出会ったときが最もその内容に関心が向いたとき。
・本を読むことは戦い。真剣勝負
・お金の無駄以上に心すべきは時間の無駄。たかが300円の週刊誌に1時間を費やすことの効率の悪さ
・その本が難しいと感じたら即刻あきらめて、自分のレベルに合った本に換える。時期が来るまで保存。
・説得力のある数字の裏づけ
・情報は絶対量より自分の手の内に収められる量が多いこと。不要になった情報は捨て、全体量は増やさない
・電子手帳は一覧性に乏しく、何かのついでに見るという機会が少ない
・ポストイットを貼ったり、剥がしたりする物理的作業が柔軟発想を養う訓練になる
・過去に読んだという記憶があり、ポストイットが貼ってあれば短時間にその内容を思い起こせる
・一時間読んでみて役に立ちそうもないと感じたら早めに切り上げる
・本の購入に慎重になりすぎない。いつでも買えるとは限らない。買わなかったことを後悔したくない。第一印象を大切に。
・保険感覚で情報収集。備えはしておく
・大切なものは見逃さないぞ、獲物を狙うハンターのように

-目次-
序章 いかに短い時間で効率的に読むか?
第1章 「ポスト・イット」であなたの仕事・勉強が劇的に変わる!!
第2章 これがスピードを2倍に上げる実践テクニックだ!!
第3章 こう抜き書きし、整理すれば飛躍的に理解が深まる!!
第4章 この「加工」でどんな情報もアウトプットに活かせる!!
巻末付録 欲しいものを的確に見抜く「選択眼」の磨き方