読書メモ

・「あなたもいままでの10倍速く本が読める 〜常識を覆す速読術「フォトリーディング」
(ポール・R・シーリィ:著、神田 昌典:監訳、フォレスト出版 \1,300) : 2008.11.16

内容と感想:
 
速読術に興味を持ち始めて手に取った本のうちの一冊。 「フォトリーディング」という言葉を知ったのもこの本が初めて。
 「脳が持つ能力をフル活用」と謳っているので最初は怪しげな感じがプンプンした。 少し斜に構えて読み進めた。 1分間に60ページ頭に「写し取る」のだというから、一般に想像する「読む」とは別の行為をすることになる。 「無意識レベルでも文字情報を処理することは可能」という説がベースになっている。 それは「生まれながら右脳に備わるデータ処理能力」なのだという。
 本書では第1部で「フォトリーディング・ホール・マインド(全脳)・システムの全体像について学び、 第2部でフォトリーディング・ホール・マインド・システムの5つのステップについて学ぶことができる。 第3部ではこのスキルを活用していく方法を説いている。
 この速読術を身に付けるためには従来の読書法を断ち切ることを迫られる。 最初私が感じていたような従来の常識から来る先入観も捨て去らなければならないようだ。つまりパラダイムシフトが必要とされる。 フォトリーディングは「批判的、論理的、分析的な脳の働きを一時的に迂回する」ことで実現される。 つまり「目で取り込んだ情報を意識上でなく、意識下を通して脳に送り込む」ことになるのだ。 にわかには信じがたいことだが、本書のところどころには実践した多くの人たちの声なども事例として数多く掲載されている。 まずは素直な気持ちで取り組んでみないことには、その効果のほどは実感できないだろう。試してみようと思っている。 身に付けば占めたもの。
 フォトリーディングは読書だけでなく、展示会場で全てのブースをフォトリーディングすることで情報収集するとかいう 応用技もあるようで興味深い。

○印象的な言葉
・ステップ1:準備、ステップ2:プレビュー、ステップ3:フォトリーディング、ステップ4:アクティベーション(活性化)、ステップ5:高速リーディング。
・ミカン集中法
・アファメーション(肯定的暗示)。宣言
・スーパーリーディング(興味を引かれたページにもう一度ざっと目を通す)。求める答えが書かれた箇所を探し当てる
・ディッピング(拾い読み)。直感を信じ、内なる声に耳を傾ける
・スキタリング(摘む読み)。あめんぼのダンス。素早く不規則に目を動かす
・ポストビュー。フォトリーディングの後に行なう
・グループ・アクティベーション。グループで互いにアクティベーションを促しあう。読書会(課題図書)
・シントピック・リーディング。同じテーマを扱った本を更に3冊フォトリーディング→アクティベーション。相反するものの見方を知る。総合的判断
・ダイレクト・ラーニング
・神経言語学プログラミング(NLP)、加速学習
・サブリミナル効果
・マイナス思考を捨てる
・目的を持つ、何を得たいのか
・全体から部分へ
・キーワード。目につく言葉、繰り返し使われる言葉。目に飛び込んでくる力のある言葉
・視線をぼやかしたまま本を見る。意識上ではほとんど理解していない。一度にページ全体を眺める
・何度も目を通す
・重要な情報を含む部分は文書全体のたった4〜11%に過ぎない
・情報に対する渇望感
・ブリップ・ページ。ソーセージ効果
・一定のリズムでページをめくる
・理解は段階を経て深まっていく
・記憶は脳のある一定の場所に保管されているのではなく、アクセスするたびに、その都度、再生成される
・100%理解することが目的ではない
・PC画面で文書を読む場合、印刷物より25%スピードが落ちる
・自分の目的を著者の目的より優先させる。著者とのディスカッション
・暗示学習。肉体的な練習を伴わなくても行動は学習される。意識あるいは記憶を伴わずに行なわれる学習
・直観:無意識が知覚した情報を意識的に伝達
・明確な目的を持てば、適切な質問ができる。適切な質問をすれば、適切な答えは全て目の前にある

-目次-
第1部 選択肢を広げる
第2部 フォトリーディング・ホール・マインド・システムを学ぶ
第3部 スキルを活用し、マスターしよう