読書メモ

・「王様の速読術 〜1冊30分でも必要な知識は吸収できる
(斉藤 英治 :著、ダイヤモンド社 \1,429) : 2008.12.06

内容と感想:
 
自身、第四世代速読術、世界最新の速読術と謳う「斉藤メソッド速読術」について書かれた本。 著者によれば、写真読みとも言われるフォト・リーディングは第三世代速読術。 それはすべての目的に適しているわけではなかったと言う。 著者が提唱する斉藤メソッドではその第三世代の欠点を補う。 要は目的別にいろいろな速読術を組み合わせるのだと言う。 それは第2章に書かれている次の3つのステップからなる。 プレビュー、写真読み、スキミング。これを基本として、第3章に書かれているように 目的別にアレンジして使いこなすことになる。
 他の速読術を説く本にもあるように本書でも読後のアウトプットを重視している。 その点については第4章で解説している。 いくつか速読術本を読んだが考え方は共通していると感じた。

○印象的な言葉
・本は知識をもたらす最良の家来
・逆三角読み
・ルーブル式、アーサー式:小説向け
・自己責任の時代。自分で考え、決断
・部分だけでなく全体も見る。より多くの知識を得て、総合的に判断
・より多くの知識が財産。それによって、よりよい判断ができ、発見する力もつく
・古典はどこに言っても通用する
・知識が知恵になり、英知へ発展し、多くの人たちの役に立つ
・本を通して時代や空間を超越して知的な世界を共有。世代を超えて役に立つ
・読書は直接、優れた先生から学ぶこと
・米国流の大学やビジネススクールの授業:本を読んでレポートを書く、議論する
・本の構造をよく知った上で、必要な情報を素早く入手する
・戦略:どう読むか、いつまでに読むか、何を得るか。自分が30分で出来ることを把握
・飛ばし読みは大きな間違い、勘違いを引き起こす。勝手な解釈
・写真読み:機械的に全ページを平等にとにかく「見る」。読もうとしない。イメージで捉える。意識する間もなく脳に届いているメッセージや言葉がある。
・キーワード:浮かび上がる。自身が持っている。本が訴えてくる。気付き。無意識に呼応。意識の深い部分から求めている。
・全ての機能を備えた複雑なシステムより、目的にかなった機能を備えた使いやすいシステムのほうが効率はいい
・スキミング:ざっと読み取る。20年以上の歴史。重要な2割を読んで、8割を獲得する。
・一つだけの得意分野だけでは、もはや複雑な現代に対応しにくくなっている
・ギネス三段ロケット法:専門書を短時間で読む目的。プレビューで全体の半分に絞り込む。更にスキミングでその半分に絞り込む
・難解な本や分厚い本は章単位など部分ごとに攻略
・試験対策は問題を作る人の身になってみる
・資格王式三回転学習法:試験対策
・ギネスH型改良六段ロケット法:目的は知的創造
・一週間で専門家式速読法:目的は短期間で専門家になること
・多読多作速読法:目的は幅広い分野に短時間で精通すること
・トピック・センテンス法:英文書籍・資料を読むため
・読書を機械的に処理したとしても何か宝物が見つかれば大儲け、くらいに割り切る
・見えている以上に見ている
・IQ(知能指数)は左脳的、EQは右脳的。SQ(Spiritual Quotient:英知指数)はIQやEQの根底にあるもの。人間の究極の目的を察知する能力。 SQ、IQ、EQの3つの知性を向上させ、調和させる。
・「品」は知性に基づく。知性が態度に出たのが品。
・必要なときに最適な本に出会う
・「いつかやろう」の「いつか」が訪れることはない
・文章は5つのパターンに分類できる。経験共有型、質疑応答型、情報提示型、意見証明型、技術証明型。

-目次-
第1章 ワシには30分しかないのじゃ!
第2章 30分で1冊を読破 ―王様の速読術
第3章 目的別に速読術を使いこなすコツ
第4章 錬金術でアウトプットしよう
第5章 大王様への道