読書メモ
・「現役ジャンボ機長が編み出した 超音速勉強法」
(坂井 優基 :著、日本実業出版社 \1,300) : 2008.12.15
内容と感想:
現役の国際線ジャンボジェット(B747)機長が自ら編み出した勉強法を紹介。
著者はパイロットになることを目標に据え、それを実現するために勉強法を編み出してきた。
限られた時間の中で効率よく学習する方法が様々な勉強やスキルアップに活かせるだろう。
勉強法そのものよりも、パイロットの仕事の裏話や、任務の大変さ、またパイロットになってからも試験や訓練が
あることを知ることが出来、畑違いの私にも興味深く読むことができた。
著者がパイロットになるために効率的に知識の習得や、技能を習得するために、
私には思いも付かないような数々の工夫をしており驚かされた。
例えば練習用に実物大の操縦席を自分で作ったとか、パソコンを駆使し、その結果、プログラミングまで習得してしまったとか、イメージフライトや、
テープレコーダーに自分で吹き込んで聴くとか、いろいろヒントになるだろう。
そのノウハウは英語のマスター法にも及ぶ(第4章)。DVDや対訳付きの映画のシナリオ本、インターネットラジオ、可変速のテープレコーダーの活用など
国際線パイロットだけに勉強は語学にも及んでいて、改めてその学習量の多さを思い知らされた。
グローバル化の進展する時代ではパイロット以外にも、ますます英語力が必要とされるだろう。
本書には様々なノウハウはあるが、著者が最も本書で訴えたかったのは自分で定めた目標に対して、そこにいかにたどりつくかを「自分で考えること」、
そしてそれをやり遂げることである。実社会で求められるのは勉強の出来・不出来ではなく、そうした考え方にある。
○印象的な言葉
・課題を自分で見つけて解決していく人間
・効率的な勉強法の勉強
・ここぞというときにはお金をかける
・同時刻同行動
・適性の見極め。訓練の結果、適性が向いていないとなれば、費用と時間を無駄に投資したことになる。本人の貴重な人生の何年間をも奪うことに。
・他人ができることは自分にもできる
・行住座臥:いつでもが修行
・心をどこかに留めるのはよくないこと
・意識的に音声を聴かなくても、聞き流すだけでも潜在意識で覚えられる
・危機対処能力:自分だったらどう対処するだろうかと考える。シミュレーション。多方面かつ複数の段階的アプローチを考える
・10分の1税作戦:収入の10分の1を自己投資に当てる
・自分を元気にするための本、その道の達人が書いた本。達人の話には共通点がある。ものに対する心構えを培う。
・迷ったら買う。あとで後悔するよりも。目先のお金を惜しんでいると、将来の可能性を狭める
・努力の継続が才能
・新しい分野の勉強に小学生用のテキストを用いる。覚えやすい解説や新しい概念が書かれていたりする。簡潔かつ大胆な説明。徐々に難易度を上げる。
・学習とは短期記憶を長期記憶に移す作業
・異なる性質の科目を組み合わせて、同時並行的に学習。「暗記系」と「考える系」を交互に。
・脳の栄養は脳の中で作られる。寝ているときにしか作られない
・脳細胞は多大なストレスで死滅する。徹夜や飲酒、喫煙
・スランプ:体と精神のバランスが崩れているときに起こる
・勉強は知識の習得、技能の習得、判断力の習得
・ワンランク上の立場(上司)から自分を客観視してみる。上司だったら部下に何をして欲しいと思うか、どんなスキルをもって欲しいか。
・うまくいかなかった全てのことを自分の反省材料にする。他人や環境のせいにしない
・語学の基本はヒアリング。まず相手の言うことを理解する
・英会話の高速再生で耳を慣らす
・辞書を使わずに英文を読む。よく知っている話を読む。知らない単語があっても想像がつく。音読。
・感じたこと、目に飛び込んだものを英語で話してみる
・外国では以心伝心はありえない。順序だてて説明する。論理的な思考。
-目次-
序章 同じ努力で何倍も速くマスターする
第1章 こんな自分でも国際線パイロットになれたワケ
第2章 パイロットに必要な「超」能力速習法
第3章 超音速スキルアップの12の戦術
第4章 超音速で英語をマスターする
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