読書メモ
・「速読勉強術 〜限られた時間で差をつける!」
(宇都出 雅巳 :著、すばる舎 \1,400) : 2008.12.13
内容と感想:
本書は「速読」を扱っているが資格試験合格のための勉強を主目的としている。
本書で解説する勉強術で必要なのは過去問題集だけで、必要に応じて基本テキストを用いるだけだという。
様々な本に手を出しすぎては逆効果。
過去問を重視するのは同じような問題が何年も連続して出題されることが多いからだそうだ。
さて、その勉強術にはいわゆる速読術といわれる訓練(集中力、視野拡大、視点移動、文字書き出しなど)は不要。
著者が提唱するのは「高速大量回転法」。
例えば試験勉強なら早読みを使ってテキストを高速に何回も繰り返して読む。単純に言ってしまえばそれだけだ。
勉強法の4つの柱は、範囲の絞込み、実質勉強時間を増やす、絶対的勉強時間を増やす、勉強時間の質の向上である。
単に高速大量回転するだけでなく、その目的とコツ、効果について説いている。
ところで1章で「マンダラート」という創造思考のための技術を紹介している。
3×3の9マスのマス目を使う。これを使って自分のやりたいこと、目標を明確にするのだ。
たった9マスだが考え方がマインドマップに似ていると感じた。
タイトルには「速読」とあるが、これまで読んだ速読術の本とは目的がやや違う。ただし速読術でいうプレビューに似た手法が用いられている。
○印象的な言葉
・本ならいつでもどこでもプロに出会える
・マンダラート:今泉浩晃氏が開発した創造思考の技術。潜在意識(右脳)活性化。自分をサーチする検索エンジン。
・試験は満点じゃなくていい
・本は使い倒す。書き込む。問題と解答のページは切り離す。答えを問題の方に書き写す。正誤問題は問題の間違い部分を訂正してしまう。
テキストで意味がない、つまらない部分は消してしまう。重要部分には丸を付ける。
・目次記憶法
・フォルダ法:目次のように分類
・空間法:外の特定の場所のイメージと記憶を結びつける。ワタナベ式記憶術
・スピーチ法:自己講義法。身振り手振りを交えて話す。感情を込める。
・マッピング法:マインドマップ。文字だけよりも記憶に残りやすい。マップを使ってスピーチするのもよい。
・分からないとことで考え込まず、どんどん前に進んでいく。また次の回転で戻ってくる。そのうちに見慣れる
・周りに流されるのもアリ。今は通過点。
・真髄(マンダ)
・勉強時間の上手な操り方:認識する時間の短縮、思い出す時間の短縮、滞留する時間の削減
・大きな字、太い字、色の活用、照明
・エビングハウスの忘却曲線:記憶の半分は4時間以内に失われる。復習が重要
・リラックスすると手の平の温度が上がる
・選択問題:全ての分野から幅広く出題される。過去問と同じような問題が出る傾向が非常に高い。過去問で7割はカバーできる。
・試験の実施主体が提供している教材や、実際の試験を受けることが役に立つ
・理解できないものは時間をかけて覚えるしかない。図解したり、声を出したり。
・論述問題:過去問と同じ問題が出ることはほとんど期待できない。テキストで勉強。要点をコンパクトにまとめた薄めの一冊に絞る
・新書:世の中のスピードに合わせてかなりのスピードで発刊
・寒さと空腹が学習効率を高める。生物としての危機感がそうさせる。本能。
・理解、記憶には理性より感情が強く働く。喜怒哀楽があるほうが効果的。
・テキスト学習は目次に始まり、目次に終わる
・経験記憶と知識記憶
・目の記憶より耳の記憶がより強く残る
-目次-
序章 みんな忙しいから、勉強すれば差がつく!
1章 「何」のために「何」を勉強すればいいのか?
2章 即・実践!高速大量回転法に基づく「早読み法」
3章 「高速大量回転法」四つのファクターで速く大量に反復できる!
4章 高速大量回転法を実践する!テーマ別目標達成のコツ
5章 忘却との戦いを制す!「目次記憶法」
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