読書メモ
・「世界一愚かなお金持ち、日本人」
(マダム・ホー:著、ディスカヴァー・トゥエンティワン \1,000) : 2008.04.27
内容と感想:
著者は日本人女性だが、華僑やユダヤ人、アメリカ人富豪たちに学びひと財産を築いたという。
外から見ると「お金を上手に使えない日本人」に見えるようだ。そんな日本人にお金との賢い付き合い方を説こうと書かれた本。
彼女の経験談を中心に資産運用の話が書かれている。
日本、米国、中国の違いを次のように比較していて興味深い:
・人脈や銀行残高で信用度を判断する「キャッシュ社会」日本
・返済の実績や能力から信用度を判断する「クレジット社会」アメリカ
・人相や人となりで判断する「人相社会」中国
彼女が財産を築けたのはアメリカというお国柄もあっただろう。同じ手法が日本で通用するわけではない。
日本独自の商習慣というものがある。今ではアメリカの不動産バブルは弾けたが、彼女もバブルで潤っていたのではないか?
投資をする上で重要なのは「安定した精神」という。投資で損をするのは「感情」が原因であることが多い。
人が行なうものだから感情が伴うのは当然だが、損をしないためには「恐怖と欲望」を上手にコントロールしなければいけないようだ。
投資スタイルが確立し、それに自信をもつことが出来れば何が起きても動じることはないはず。
そのスタイル確立が難しいのだ。勝利の法則などない。あれば皆が儲けているはず。
本書の内容は「金持ち父さん、貧乏父さん」シリーズの内容にも近いが、アメリカ人以外の華僑などの「金持ち哲学」にも
触れることで違う味付けになっている。
○印象的な言葉
・アメリカではサラリーマンも個人で確定申告をする
・世界のお金持ちは信用にレバレッジをかけて、少ない投資から大きな富を築いた
・下品で頭を使わない日本人が増えてきた。簡単、手っ取り早く、わかりやすくを重要視するようになった代償にズボラになった。
・大家さんが住むアパートには良いテナントが集まる
・友情とビジネスは水と油のようなもの
・日本人の欠点:ブランド志向、世間体を気にする
・ここぞというときに生き金を使う
・不動産投資の原則:ロケーション(立地条件)が全て。将来性や成長が見込める土地
・自分に適した投資方法を選ぶための視点:リスク許容度、冷静さ、最悪のシナリオでは手元に何が残るか
・政治家はLawmaker。自分を支援する団体、自分個人にとって有利な法律を作る
・不動産には多くの人が関わる。地元の雇用や経済に貢献する。テナントに住居やビジネスの場を提供
・海外に出たら「背中に日の丸」を立てている意識で
・中国のタオイズム:陰陽説。バランスが大切。陽より陰(中身、目に見えない、無形のもの、女性)が大切。ものごとは常に変化している。
・日本人はお人よし。誰でも信用する。中国人は信じるのは自分だけ。
・人相にはその人の「生き様」が表れる
・中国人とアメリカ人の「タニマチ」的な懐の深さ。無名の若者を育てようとする
・重税とひきかえに「ゆりかごから墓場まで」政府が面倒を見る国。「自分の人生は自分で決める自由」を推奨する国
・政府と国民の関係は親子関係に似ている
・金融アドバイザーへの質問:あなたはどうやって儲けるのですか?
・夜は心配事なくぐっすり眠りたい
・日本人に精神病患者が少ないのは飲み会や井戸端会議などで鬱憤を晴らすから。グループセラピー
-目次-
第1章 貯めこむばかりの日本人、借りてでもふやすアメリカ人
第2章 20代で1億つくった私の方法
第3章 アメリカと中国華僑に学ぶ「投資の掟」
第4章 「本物のお金持ち」になる人の黄金法則
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