読書メモ
・「儲けるための株価チャート練習帳」
(川口 一晃:著、角川oneテーマ21 \800) : 2008.05.10
内容と感想:
著者はチャートを使ったテクニカル分析が専門の元ファンド・マネージャ。
「ペンタゴンチャート」でも有名である。
本書はタイトルにもあるように儲けるための株価チャート活用法を紹介している。
株価の分析には大きくファンダメンタルズ分析とテクニカル分析がある。
チャートを使った分析はテクニカル分析のほうである。過去の値動きを分析して、将来の株価を予測しようというものである。
またテクニカル分析にはトレンド系とオシレーター系がある。
トレンドを見るのに適したのがトレンド系のチャート、株が買われすぎか売られすぎかを見るのに適したのがオシレーター系である。
この2つを駆使して売買のタイミングを図る。
著者が言うようにチャートを使って「トレンドを掴み、トレンドに乗り、利益をできるだけ伸ばす」ことで儲けることができる。
本書では主要な7つのチャートを取り上げており、各章の終わりには練習問題も付いている。
内容としては入門者向けであり、私から見ればごく普通の基本的なことが書かれている。
ただ、各章のトップにあるチャートから企業名を当てるクイズは無意味だと思うのだが・・?
○印象的な言葉
・歴史(チャート)は繰り返す
・経験から発せられた言葉こそが人の心も動かす
・トレンドを掴み、トレンドに乗り、利益をできるだけ伸ばす
・最近は株価の値動きが激しく、この動きに移動平均線がついてこられない傾向が目立つ
・RSI:計算期間が14日間では少し長い。変化が長い期間の中で吸収されてしまい、売買シグナルが出にくくなる。
ボックス圏(保ち合い)では有効だが、一定のトレンドが続く場合では有効でない。
株価の変化とRSIの変化の方向が互いに逆の場合を逆行(ダイバージェンス)という。これが出たときは株価が反転する。
・ストキャスティックス:お勧めはスロー・ストキャスティックス。「%D」とSDの2本の線を使う。
ファスト・ストキャスティックスは計算期間が短いため変化が激しく精度が落ち、「ダマシ」が多い。
オシレーター系のためRSIと同様、トレンドに弱い。RSIと同様、逆行がある。RSIなどと組み合わせて使うといい。
・MACD:移動平均線を発展させたもの。直近の値を重視。MACDとシグナルの2本の線を使う。
トレンド転換を素早く捉えることが可能。著者イチオシ。
・ボラティリティ(標準偏差):金融の世界で「リスク」と呼んでいるもの。σ(シグマ)。値幅。「1標準偏差」は68%の確率で株価が収まる幅、
「2標準偏差」は95%の確率で収まる。
・ボリンジャーバンド:強いトレンドでは株価がバンドを逸脱することも多い。ボックス圏で有効。
・日本の文化には「1:√2(ルート2)」の関係が見られる
・チャートが綺麗な銘柄は流動性が高い
・ファンダメンタルズ分析だけで将来を読むのは難しい
・株式投資を通じて世の中やお金の流れ、モノの流れが見えてくる
-目次-
人はなぜ株式投資で負けるのか
株式市場は人間心理の反映
覚えるチャートは7つだけで良い
実戦、チャート塾
一目均衡表
移動平均線、ローソク足
RSI
ストキャスティックス
MACD
ボリンジャーバンド
ペンタゴンチャート
儲けるための銘柄選びのコツ
分析が当てはまる銘柄の選び方
チャートが崩れてしまう場合とは
勝ちたい人に伝えたいこと
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