読書メモ
・「上司はひと言 ―部下を伸ばす30の「ひと言」 」
(白潟 敏朗:著、中経出版 \1,500) : 2008.08.03
内容と感想:
「上司のすごいしかけ 」、「やる気を引き出すシンプルなしかけ 」で社員のやる気を引き出す「しかけ」を提案してきた著者。
本書では部下を喜ばせ、やる気にさせるような、素敵な30の「ひと言」を提案している。
これらも前書と同様、「かんたん実行」、「ばつぐん効果」、「らくらく継続」という保証つきと謳う。
つまりきちんと機能し、誰もが効果を実感でき、部下の成長も目に見えて楽しくなる、という。
「自分(上司)がハッピーになるためには、まず部下をハッピーにすればいい」というのは納得だ。
できる上司なら本書に書かれていることはほとんど毎日のように使いこなしていることだろう。
どれも「ひと言」だけに覚えやすい。しかしTPOを考えて使わないと、部下は違和感を感じることだろう。
○印象的な言葉
・部下が上司に腹が立つワケ:愚痴・話を聴いてくれない、ほめて認めてくれない、尊敬・信頼できない
→対策:聴き上手になる、ほめ上手・認め上手になる、人望をつける
・聴くと話すの割合は8:2がいい
・ほめる・認めると叱るの割合は4:1がいい
・部下に意見を求めることで、部下が勉強するようになる
・労働衛生学:やらされ感(Must)でやる仕事は生産性は1/3、疲れも3倍。やりたい(Wants)仕事なら生産性は3倍、疲れも1/3。
・仕事の報酬は仕事で。賃金でなく仕事が部下・社員の満足度を増やす。自発的・自主的に行動できる
・賃金は不満を減らすことができるが、満足を増やすことはできない(土光敏夫)
・部下を従業員である前に個人として敬意を示す
・バケツ理論:人間は心にバケツを抱えている。その中に認知・関心・肯定・称賛(認関肯称)の4つの水を溜め込みたいと思っている。
しかし溜めたい、溜めたいと思っている人ほど好かれない。他人に与えることにより、相手から与えられる。与え続けて相手のバケツからこぼれた水で自分のバケツを満たす。
ひたすら「ギブ&ギブ」
・ハート・リスニング:心で聴く。聴いているときに喋らない、話をさえぎらない、違うと言わない
・人は人に話をすると心が癒される
・自慢話はせずに失敗談を語れ
・感情にまかせて爆発するのが「怒る」、相手の非を指摘して善導しようとするのが「叱る」
・外部の刺激は最初に脳の扁桃体(動物脳)に伝わり、そこから大脳皮質(理性脳)に伝わる。これに要する時間が6秒。誰でも6秒たてば冷静になれる
・ロジカル・シンキング(論理的思考力):結論から先に言う。演繹法(大前提、小前提が正しければ結論は正しい)
・説得力のある話し方:ぐーすーひ。具体的に話す、数字で語る、ひと言にまとめる
-目次-
第1章 部下に声をかけたいとき
第2章 部下に仕事をたのむとき
第3章 部下に感謝したいとき
第4章 部下をほめたいとき
第5章 部下を認めたいとき
第6章 部下を励ましてあげたいとき
第7章 部下を叱るとき
第8章 部下を育成したいとき
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