読書メモ
・「日本一の大投資家が語る大貧民ゲームの勝ち抜け方」
(水沢 潤:著、自由國民社 \1,500) : 2007.07.04
内容と感想:
「会社四季報」などで上場企業の大株主欄に個人株主として多く名前がある竹田和平氏。
彼は「タマゴボーロ」で有名な竹田製菓の社長である。上場企業約70社の大株主としても有名だそうである。
私もその名前はある本で見知ってはいたのだが、本書はその竹田氏を取材し、会社経営から株式投資にわたる竹田氏の
哲学、生き方を知る本。
各章の扉に映る竹田氏のお顔の写真はみな福々しい恵比須顔。
「日本一の花咲爺さん」と言われるのも納得である。
竹田氏本人も「周りを喜ばせようと努めていると、本人がいちばん良い顔になる」と言っている。
氏の投資スタンスはごく当たり前のような「優良企業を株価が下がったときに買う」いうもの。
本人が経営者として他の企業経営者の気持ちが分かる、ということで、
経営実態は良好なのに株式市場から見放された会社を拾い集めているうちに数々の企業の大株主になってしまったのだから驚きだ。
「旦那」という言葉が出てくるが、旦那的な立場で頑張っている会社を応援したいと考えている。
経営者を褒めて感謝して元気づけてあげるのが株主としての仕事だとも言っている。
竹田氏が株主なら安心、安全、確実だという基準で竹田関連銘柄を買うのも一つの手ではあろう。
株式投資だけでなく、会社経営での苦労話のほうが印象的だった。
○印象的な言葉
・どうすれば相手に喜んでもらえるか考える。お金は喜びの代金
・旦那道
・教育は感動をともなわないといけない
・地域社会に若者を取り込んでいくようにしなければいけない
・若者はみな自己表現したいと思っている
・人間関係の基本は感謝。
・最も尊い愛とは相手に希望を与えること
・奇策により一発逆転を夢見るのは追い込まれた事業者が共通して陥る罠。ギャンブルに過ぎない
・残存者利益
・ブームのために価格が高騰していれば、やがてブームは終わる。みなが敬遠するようになれば暴落する
・過剰であれば、消費したいという欲求が消えていく
・ファンは無形資産
・資本金は(株主へ)返さなくてよい金
・一株利益を見る。利益の多くを配当に回しているのがよい。それは株価に反映される
・株主資本比率、過去の高値からどれだけ値下がりしているか、過去の売上の伸び率を見る
・実質無借金企業を安全な企業として選択
・理念なき経営は罪悪
・お金持ちはみんなから感謝されたい。感謝されればお金を遣いたい
・税制を変え、金持ちたちが自分の意志で「旦那」としての行動ができるようにすべき
・自分が周囲に与えたものは必ず自分に返ってくる
・キャッシュが豊富な企業は経営方針が非効率だとして非難される
-目次-
第1章 お金持ちになるための、たったひとつのキーワード
第2章 こうして日本一の大投資家が誕生した
第3章 投機から投資へ、そして日本一の花咲じいさんへ
第4章 日本一の大投資家が語る、株式投資の極意とは
コラム1 これぞ資本主義。大貧民ゲームとは何か
コラム2 竹田さんに学んで、「最高の株」を探し出そう
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