読書メモ

・「ペンタゴンチャート入門 ―神秘の株価予測法
(川口 一晃:著、東洋経済新報社 \1,700) : 2007.04.01

内容と感想:
 
著者はテクニカル分析の専門家で、かつては11年間ファンドマネージャも勤めたという。
 テクニカル分析に使うチャートにはいろいろな種類があるが、本書は「ペンタゴンチャート」という 聞きなれないチャートの紹介をしている。著者はこのチャートと12年以上付き合っており、身体の一部になっているという。 ビジュアル的にマーケットの状況を把握てきる点で一目均衡表に似ているらしい(5章では共通点について説明している)。
 そのペンタゴンチャートだが正五角形の各点とそれらを結ぶ、辺と対角線を使う。 サイズを伸縮させる相似形と、同じ大きさの五角形を並べていく合同形がある。著者は後者の方を愛用している。 そのチャートからトレンドの方向性や値段の目処を捉えられるという。 つまり未来予測に役立つ不思議なチャートなのだ。著者はその精度は8割近いと言っている(何の精度かよく分からないが)。 このチャートの肝はペンタゴンの大きさと位置決めにある。大きすぎても小さすぎても駄目。
 最近ではネット証券のサイトでもペンタゴンチャートが見られるそうだ。 また本書では、株だけでなく為替や金相場にも応用した例を挙げている。
 5章のアストロロジーは占星学・天文学のこと。そのアストロロジーを組み合わせるのが著者の奥義。 アストロロジーも見方を変えれば統計学のようなもの。天体の運行に注目するのだ。星占いとは違う。 天体にも周期があり、それは相場にも言えるそうだ。 著者は月(moon)をメインに相場に生かしているそうだが、日食など太陽も動きも見ている。 ここまで来るとサブタイトルの「神秘の・・」も相まって胡散臭く感じてくるのだが、 チャートを生かすも殺すも使う人次第で、自分に合わないと思ったら使わなければいいだけ。 とりあえず使ってみないと真の実力は判断できない。

○ポイント
・ペンタゴンチャートの本質は黄金分割比。自然界の美しいものがもつ比率。1:0.618
・ペンタゴンの中にある辺は全て黄金分割比の関係にある
・小さいペンタゴンだと「時間の逆行」が起きやすい。急騰、急落すると逆行が生じやすい
・ファンドマネージャだった著者も日経平均が¥7,600円台まで下がる(2003年4月)とは思っていなかった
・半月の日に自動車事故が多い。うっかり事故が多い
・太陽黒点と景気循環の関係。黒点活動は11年周期。設備投資の循環と同じ(ジュグラー波)

-目次-
第1章 ペンタゴンチャートとの出会い
第2章 ペンタゴンチャートの特徴
第3章 ペンタゴンチャートの描き方
第4章 ペンタゴンチャートの読み方
第5章 アストロロジーと一目均衡表