読書メモ

・「インド式計算練習帳 ―脳力がみるみるアップする
(ジャグモハン・S・チャンドラニ:監修協力、青志社  \600) : 2007.10.13

内容と感想:
 
チャンドラニ氏は「監修者」ではなく「監修協力」となっている。巻末に「江戸川インド人会」代表としてインタビュー記事が載っている。 彼が数学者かどうかは不明だ。 インド人が世界のIT業界で活躍している。日本でもインド人をよく見かけるようになった。 インドは2桁の数の「九九」を学校で習うと聞いたことがあった。インド人IT技術者を支えているのは小さい頃から身につけた算数や数学の力のようである。 最近、本の広告で「インド式」を謳う本があるのを知って読んでみることにした。
 初級・中級・上級編に分かれており、まず初級編では2桁同士の足し算、引き算、掛け算のインド式計算法を紹介。 中級編では3桁以上同士の足し算と引き算、2つの数が「11〜19」の範囲の掛け算の方法や、ちょっと変わった割り算のやり方などを解説。 上級編では2桁以上同士の掛け算のちょっと変わったやり方や、一本の対角線で区切った正方形を2つの数の桁数同士をかけた数だけ並べて計算する方法、 2つのそれぞれ数の各数字の数だけ斜めに線を並べ(同じ数の中の数同士はお互いを少し離す)、2つの数字の線同士がクロスするように並べて計算する方法など パズルのような我々日本人が見たこともないような計算方法も出てくる。 いずれも紙と鉛筆を使ってやる計算ばかりである。桁数が多いとやはり電卓があったほうがいいと思ってしまう。
 初級編にある計算法は「インド式」と言えるかどうか分からない。我々も無意識に同じようなやり方でやっているからだ。 中級編のほうもびっくりするような方法とも思えない。「11〜19」の範囲の数同士の掛け算は数が限定されるから今ひとつだし、 割り算の方法も日本人が小学校で習った方法に似ているが違和感があった。 上級編のパズルのような計算方法には驚かされたが、実用的で効率的な計算方法かどうかは疑問だ。
 130ページ弱の薄い本で半分くらいは練習問題なので読後は消化不良気味だが、他の「インド式」の本も読んでみたくなった。

○目次
初級編
中級編
上級編