読書メモ
・「東大生が書いたやさしい株の教科書」
(東京大学株式投資クラブAgents:著、インデックス・コミュニケーションズ \1,500) : 2006.04.29
内容と感想:
題名にもあるように、株式投資に興味をもった東大生たちが書いた株の本である。”やさしい”を売りにしているように、
登場するキャラクターが対話形式で株式投資を学び、株式投資をするという読みやすい構成になっている。
第1章から第3章までは、それぞれ個性の異なる先生が学生に講義する、という形だが、意外と内容は濃い(無駄話も多いが)。
減資や自社株買いの理由とその株価への影響、機械受注実績など景気・経済指標の見方とそれらの重要度、業界の特徴と業界ごとの株価の動向、なども分かりやすくまとまっている印象。
第4章は「株式ゲーム」と謳っているが、どちらかというと株クイズ。6つのカテゴリ、全30問の問題を解いて、それぞれの得点を蜘蛛の巣(レーダー)チャートに
マッピングしていくことで第1章から第3章までの内容の理解度を判定できる。
第5章ではトヨタと日産、花王と資生堂、ソニーとシャープという実在の企業を取り上げ、その業績と株価を比較して銘柄選択しようとしていてリアリティがある。
ここではシャープを選択して、1年後に株価が上昇したという成功のストーリーを描いている。
「おわりに」にもあるように株式投資を通じて、実体経済の本質が見えてくるし、社会勉強にもなる。
自腹を切って株を買ってこそ、実感として経済を感じられることだろう。
○ポイント
・株式投資は企業の効率的な経営を促し、ひいては資産の最適な配分による経済社会の確立につながる
・半導体・ハイテク銘柄は株価の変動が激しい
・医薬品、電力・ガスなどは売り上げが安定
・化学や製紙・パルプは原油価格に影響される
・関連会社や子会社の業績にも注意
・年度末は機関投資家が業務の締めのために株価に無関係に株を売るため売り圧力がかかり、新年度になると買われるため株価は上昇
・テクニカル重視の投資家は投機的志向を持つ
-目次-
第1章 株ってナンダ?
第2章 良い銘柄・悪い銘柄ってドコを見るの?
第3章 株が上がったり下がったりするのはナニが基準?
第4章 株式ゲームの時間です!―ゲームのルール説明
第5章 銘柄選択のリアル
第6章 負けない投資法
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