読書メモ
・「出世しない技術」
(梅森 浩一 :著、扶桑社 \952) : 2006.04.23
内容と感想:
なかなかイカす題名だ!思わず手にしてしまった。会社員を続けていると、いつしか管理職というステップが待ち受けている。
(管理職になることだけが出世といえるのかどうかは疑問があるが)
より成果を求められ、責任も重くなるし、部下の面倒も見なければならない。
本書はそんな管理職の人、これからなるかも知れない人にサラリーマン人生を考え直すきっかけを与えてくれるだろう。たった100ページなのでサラリと読める。
著者は外資系銀行の元人事部長である。
表紙の帯にもあるように「出世して得るものと失うものを比べると・・」一体どっちが得なのか?
これはその人の考え方次第である。どちらが得かというよりは、どちらが幸福感が得られるか、死ぬ間際に充実した人生だったと言えるかどうか、という所だろう。
「はじめに」にもあるように、本書はそのまま読みかえれば「出世できる技術」になるのだ。間違っても「出世しないための智恵」が書いてあるわけだから、
逆に読めば出世する方法になるわけだ。
トップの章にもあるが「出世して減収なら平社員上等」はもっともだ。生活がかかっていれば「肩書きをとるか、収入をとるか」背に腹は変えられぬ。
出世しないことの「経済効率」、会社員であることの損得勘定をどうしも考えざるを得ないだろう。
出世することによって平社員のままでは得られぬ、お金には換えられない貴重な体験が出来るかも知れない。
奇麗事に聞こえるかも知れないが、前向きに捉えれば、そう考えることも出来る。
死ぬまでサラリーマンを続ける覚悟なら、よく考えたほうがいい。仕事漬けで人生を愉しめないのでは悲しい。
本書をそのまま実践すれば平社員の理想像は次のようなものになるだろうか?
クビにならない程度に会社にしがみつき、身体を壊さない程度に健康に「ホドホド」に働く。
自分の利益になるように徹底的に会社を利用する。それなりの収入でプライベートな時間を楽しむ余裕もある。
またそれなりのスキルを身に付けている。それなりに社内では必要とされているが、いつリストラされても、他所でもやっていける自信もある。
たった一つの人生だ、自分のやりたいことをやる。やらねばならないことも何かしら持っていて、やるときにはやる。
こんなところだろうか?
そこで自分に問うてみる。あなたは出世したいですか?
-目次-
出世して減収なら平社員上等!
会社の金とリスクでプレゼン!
肩書きをとるか、収入をとるか。
「管理」しない管理職という選択。
あえて「年功序列」を慈しむ。
上司や部下から「許される技術」。
出世しないことの「経済効率」。
「ホドホド」と「バリバリ」の境界線。
出世するとリストラ候補に!?
人事担当者に「愛される理由」。
まさか、会社のために仕事を!?
会社員であることの損得勘定。
「アテにされない」という演出。
定年後も会社に留まる技術。
出世せず、休暇にはこだわる。
「仕事の総量規制」のススメ。
「釣りバカ日誌」のハマちゃんに学ぶ。
記憶に残らない社員になる。
「出世」を断る技術。
女性のための「出世しない技術」。
あなたの「辞世の句」は?
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