読書メモ

・「絵でみて入門!経済が楽しくなる本
(日経STOCKリーグ:編、日本経済新聞社  \1,200) : 2006.08.05

内容と感想:
 
編者の「日経STOCKリーグ」というのは日本経済新聞社が毎年開催している中・高・大学生のための株式学習コンテストのこと。
 本書は絵や図を多用して中・高・大学生が経済を学びやすいよう編集されている。 イラストが多いのでイメージしやすいだろう。物価や景気、財政、金融、など難しい経済用語なども出来るだけ噛み砕いて説明している。 誰もが興味を持って読めるのではないのではないか。これをきっかけにより深く学びたいと思う子供も出て来ることだろう。
 アメリカでは子供の頃から株式投資教育をしているらしい。経済に興味を持たせるのに手っ取り早いのかも知れないが、 果たして子供の成長のために、あるいは経済の教育のために本当に適切なのか疑問なのだが・・。 株式ゲームにのめりこませないように、間違った方向に行かないように指導するのは大人の責任である。
 今でこそ景気回復ムードになってきたが本書が出た2002年9月頃は日経平均が1万円を割り込み、その後更に下落を続けた最悪の時期であった。 本書のそのムードが色濃く背景にあり、景気の悪さや国の財政状況の悪さが話題にも取り上げられている。

○ポイント
・2025年の日本は65歳以上の老人人口が全人口の3割
・公共料金を変更するには国・自治体の承認が必要
・日本のGDPは500兆円。個人消費が6割、設備投資が3割
・2002年の個人の貯金の総額は1,400兆円
・2002年末の国の借金は400兆円
・日本の国の歳入の1/4が国債。国債利息の支払いのためにまた国債を発行するまできている。
・手形や小切手は信用でやり取りする預金通貨
・1997年のアジア通貨危機ではIMF(国際通貨基金)が自国通貨の価値が下落したアジアの国々へ融資した
・日本のアジアからの輸入、アジアへの輸出はそれぞれ4割
・品質やサービスの向上には公正な競争が続くことが大切

-目次-
第1章 こんなところが経済です
第2章 お金は経済のきほん
第3章 外国と日本の経済ってどういう関係?
第4章 国がしている大切なしごと
第5章 会社ってなにをするところ?