読書メモ
・「齋藤式 潜在力開発メソッド」
(齋藤孝:著、マガジンハウス \1,200) : 2006.02.26
内容と感想:
潜在力開発などというと妖しげな新興宗教か何かかと思ってしまうが、本書は身体論を教育に生かそうと取り組んでいる著者の考えをまとめたものと言える。
実力はあるのになかなか本番で力を発揮できない、とかこれ以上伸びないのではないかと悩んでいる人は多いと思う。
そういう人を元気付ける本。何も特異なトレーニングをしろというのではない。「眠れる力」を引き出すために誰でも実践できそうな工夫を71項目挙げている。
著者の他の著作とだぶるところも多いが、「内なる能力をどう行かしていくか?」という視点から書かれている。
雑誌「TARZAN」に「潜在能力を引き出す法」として連載されたものをまとめた本。
第8章では著者が自賛している画期的な教育法を提案している。聞くより話すほうが記憶に残る、というのを利用し、教えられる側(生徒役)が教える側(教師役)と
立場を入れ替えることで教え合い、学び合っていくのだ。理解していないことを人に教えることは出来ない。だから身に付く。
スポーツの上達法をモデルにすることは有効で、著者はテニスや武道の経験を自らの学習や教育にも応用している。
「身体からの発想」が潜在力を引き出す鍵とも言っている。
○印象的な言葉
・経験(独自に編み出した工夫)を応用
・あきらめずに待つ。いつかビッグウェイブが来る
・分節化:初めは範囲を限定して学ぶ
・身体の状態に心が規定されることが多い⇒身体をコントロールしてやる
・能力のレッドゾーンまで続ける習慣。締め切りを早めたり、チェックポイントを増やしたり、自分を追い込んでいく
・断続力:集中力が持続しなくても、最終的に仕事ができていればよい
・無の境地:心が落ち着いている一方で頭脳は高速回転。呼吸法の効用
・経験知:記憶を映像としてはっきり再生できる力
・明確な課題設定、到達度の認定
-目次-
第1章 潜在能力発揮の極意
第2章 身体の技法を使い、潜在能力を呼び覚ます
第3章 潜在能力を活かし、勉強や仕事の効率を上げる
第4章 「対人関係能力」と「会話力」を高める
第5章 心地よい睡眠とリラックスこそ能力発揮の条件
第6章 実戦で「持てる力」を全開する!スポーツ必勝法
第7章 触発力活用―いい先生やコーチを自分で選ぶ
第8章 「先生増殖方式」は、生徒の力を伸ばす画期的教育法だ
巻末特別対談 清水宏保 VS 齋藤孝
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