読書メモ

・「ちびまる子ちゃんの音読暗誦教室
(齋藤孝:著、集英社 \1,100) : 2006.10.09

内容と感想:
 
「声に出して読みたい日本語」を編み直したような本。これの前後に音読と暗誦のテクニックを追加し、 タイトルにもある”ちびまる子”の四コマ漫画やイラストを多用してアレンジし、前書との差を打ち出している。 (ちょっと無理矢理っぽい企画)
 その音読のコツであるが、身体の力を抜き呼吸法を使って、身体全体に声を響かせる感じで読むのがよいそうだ。 また、暗誦のコツは自分がひっかかるところをハッキリさせ、その弱点を克服していくこと。 これは暗誦に限らずあらゆるものに通用する。

○印象的な言葉
・音読の魅力:言葉のすばらしさを身体で味わう。脳は活性化され、注意力も高まる
・ランボー:全ての詩人が憧れる天才詩人。早熟の天才。人類史上に残る感性
・美しい分だけ何か強烈で恐ろしいものが裏にあるのではないか
・この世を祭りにしたい
・心に深く突き刺さった何か、その痛み、流れる血で言葉を綴る
・子供を独立した一人前の人間として扱う
・孤独感が文学を生む(坂口安吾)
・もともと俳句は笑いを含んだ軽いもの。それに「わび」「さび」といった深い感情を込めた芸術に変えたのが芭蕉
・漱石が現在の書き言葉を作りだした。彼が先に悩み、作品を残してくれたからこそ、我々の立ち位置が理解できるようになった
・宣言によって覚悟を示す
・眠る直前と目覚めの前のボンヤリした時間帯は、ふとした何かが心の隙間に入り込む「魔の時間帯」。無意識の蓋が開いている。 これを活かして大事なことを頭に深く染み込ませることができ、勉強のコツとして活用できる。
・元武士の歌人・西行の生涯がのちの芭蕉や明治の詩人達の憧れとなった。堂々と腹の据わった、派手、豪快な歌

-目次-
くり返してくり返して音読
初級編
中級編
上級編
達人編
暗誦 一生、名文とともに