読書メモ

・「オリバー・カーン自伝 ナンバーワン
(Oliver Kahn:著、齋藤孝:監訳、三笠書房 \1,900) : 2006.01.04

内容と感想:
 
サッカーファンでなくともオリバー・カーンを知っている日本人は多いのでは? CMにも出ていたし、何よりも2002年の日韓開催のワールドカップ(W杯)ではMVPになった選手として有名だ。 彼はドイツ1部リーグ(ブンデスリーガ)のFCバイエルン・ミュンヘン所属のゴールキーパーである。
 その彼が語る自伝。特定の分野で一流と言われる人の考えていることに触れることは楽しい。 それも彼のように(過去の人ではなく)まだ現役の新鮮な生の声が聞けるのは貴重である。 解説で齋藤孝氏は「世界の”最高峰”(のカーン)から教えられることは無限」と書いている。彼は知性と野生を兼ね備えているとも言っている。 成功の裏にある苦労、苦悩なども吐露しているが、そういうものも乗り越えていく強靭な意志の持ち主であることが、 本書全体から伝わってくる。
 キーワードは夢、目標、成果、市場価値、モチベーション、本物、期待、意志、野心、闘争本能、我慢、孤独感、理想、成長、など。
 今年(2006年)は彼の地元ドイツでW杯開催となるが、最近の情報では 新監督によりドイツ代表キャプテンを降ろされ、ポジションが約束されなくなったそうで、出場すること自体危ぶまれているらしい (記事)。

印象的な言葉:
・ゴールが小さく感じられるときもある、その逆も。
・打ち込めば何かが生まれることがある。試してみる価値はあるはず。
・感謝の気持ち
・挑戦する姿勢
・目標の過程にある日々の小さな喜びを感じる
・才能だけでは不十分。才能を努力と規律をもって鍛錬していく
・絶対にあきらめない
・他人の意見は尊重するが、最終的な判断は自分でする
・プレッシャー(不安)から逃避せず、受け入れ、対峙する。そこに目的に通じる道がある。
・成功するのはどうしてもやりたいという気持ちがあるとき
・集中し、結果を求められている状態で創造性を発揮するのは難しい
・力を出し切る。可能なことは全てやった。
・常に目標を定めること。

-目次-
1 「自分の夢」を意識した日
2 ボールと私の特別な関係
3 「ゴールの中」で考えること
4 「スピード」への恐怖と畏怖
5 「目標」をどこに定めるか
6 「成果」を出す人、出し切れない人
7 私の「モチベーション」づくり
8 常に「本物」であり続けるために
9 「プレッシャー」?勝って当然
10 「自分は自分」を行く
11 「意志」の力を私は信じる
12 「創意工夫」はいくらでもできる
13 肉体と頭脳のバランス
14 必要なのは「攻撃性」
15 常に「戦士」として
16 「英雄」とは何か
17 「孤独感」との闘い
18 私なりの「お金」の哲学
19 「ビジネス」と「プライベート」
20 「理想」の仕事
21 「成長」する喜び