読書メモ
・「売れる!ネーミング発想塾」
(齋藤孝:著、ダイヤモンド社 \1,400) : 2006.02.11
内容と感想:
「声に出したい日本語」の著者が今回はネーミングに着目。言葉に関わる仕事をしていれば当然、
世の中に溢れる製品やサービスなどのネーミングにも関心があるのだろう。
似たような製品でもネーミング一つで売れ行きに差が出るという。
いかに売れるネーミングをするかが本書のテーマである。
日本ではキャッチコピーなどを作るコピーライターなる職業があるが、アメリカではネーミングコンサルタントなんてのが
あると聞いたことがある。
製品企画などに関わらない限りは滅多に何かのネーミングをする(名付け親になる)などということはないし、
ネーミングなんて関係ないのかも知れない。
本書ではそのネーミングのプロセスを示した本であり、「一言で伝える力」や発想力を磨く過程を楽しめる本である。
1章ではまずネーミングを"説明系"と"イメージ系"に分類している(大分類)。説明系は名前を見ればすぐに製品そのものが分かるもので、
”××茶”のような製品の種類や原料などが含まれている。イメージ系は見ただけではどんな物か分からないネーミングだ。
2章から4章では擬態語型(ゴキブリホイホイ)、ダジャレ型(通勤快足)など28の型で分類して、
実際にある製品を例に挙げて、ネーミングのパターンを示している(小分類)。
これらの分類をもとに「齋藤孝式・売れる!ネーミングマップ」なるツールを提案している。要は大分類と小分類を縦軸と横軸にした表である。
この表を埋めていくことで叩き台を作り、その中からキラリと光るネーミングを見つけ出そう、というのだ。
5章はTVや映画のシリーズものを取り上げて、長寿番組のネーミングの難しさを分析している。「男はつらいよ」の寅さんと「007」というキャラクターの共通点に
言及しているのが興味深かった。
○印象的な言葉
・ネーミングとは商品に魂を入れる作業
・コピーライターなどは、よく使われる言葉を選びつつ、「なるほど」と唸らせるネーミングをするからプロである
・5文字の言葉はリズミカルで読みやすく、覚えやすい
・「ぱ」行にはイメージを明るく、軽くする効果。「は」、「ラ」行はやわらかなイメージ
・外国語っぽくすることで、強引に言葉を作ってしまうのもあり。
-目次-
1章 まずは"説明系"と"イメージ系"に分けてみる
2章 ネーミングは、地図から"系"と"型"を選ぶ作業だ
3章 パクるのは、「名前」ではなく「世界観」
4章 加えるだけで「らしく」なる、魔法のキーワードがある
5章 ネーミングの最終型は、シリーズ化
6章 あなたも、「売れる!」商品名を考えてみよう!
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