読書メモ
・「無言館の詩 〜戦没画学生「祈りの絵」第V集」
(窪島誠一郎:著、講談社 \1,500) : 2006.08.19
内容と感想:
「無言館を訪ねて 〜戦没画学生「祈りの絵」第U集」に続く第3集である。
新たに収録された掲載作品(日本画や油絵、彫刻など)全61点(24名)の間に、
著者による東信州・塩田平(上田市)の四季にまつわるエッセイが収められている。
収録作品は矢崎博信さんのシュールレアリスムなモダンなものや、伝統的な日本画の手法のものなど様々だが、
本書の背景など無視して私が気に入ったのは杉原基司さんの油絵「神戸東亜ロード」の西洋風の洒落た町並みの絵だ。
丁度、お盆時期ということもあり、首相の任期切れ直前(8/15)に靖国参拝を果たした小泉総理(本人はそれが公約だと言っていた)を
めぐる議論がかまびすしいが、これも過去の戦争の過ちを忘れないためのイベントだと思えば、日本にとっても周辺諸国にとっても
それなりによいのかも知れない。
さて春先に上田市内にて著者の公演を聴く機会があり、個人経営の美術館の経営の厳しさを自嘲気味に語っておられた。
無言館は信濃デッサン館の分館として設立されたが、実は本館のほうは年内に休館となることが決まっている。
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