読書メモ
・「東大生が書いたやさしいマネーの教科書」
(東京大学投資クラブ 三四郎Investors:著、インデックス・コミュニケーションズ \1,500) : 2006.10.15
内容と感想:
「東大生が書いた教科書」シリーズ。
タイトルには漠然とマネーとあるが、内容は資産運用、金融商品のお話。
株式投資に限らず、債権や為替、投資信託、デリバティブ(入門書でここまでやるか?!)にまで及んでいる。
これまでのシリーズと同じように授業形式で、複雑と思われがちな内容を軽妙な対話で易しく説明している。
第3章で株、債権、為替、投資信託、デリバティブの各商品を一通り解説し、第4章はおさらいのテスト。
第5章は株取引のシミュレーション。
様々な金融商品があるが、それぞれにメリット、デメリットがあり、リスクやリターンの大きさも異なるが、リスクをコントロールして上手く活用できれば
資産を増やすことが期待できる。しかしこれら全てを理解・把握して運用している暇なんてないのが我々一般人の本音ではないだろうか?
デリバティブ(金融派生商品)は原資産(株、債権、為替)自体をやりとりせず、それらのお将来の取引を約束する先物取引や、
原資産を売買する権利を取引するオプション取引、金利を交換するスワップ取引など複雑な商品が存在するが、仕組みが図解で初心者にも分かりやすく書かれている。
○ポイント
・電子マネーの効用:受け渡しの効率化、計算ミスの回避、レジでの硬貨や紙幣の出し入れなど直接機械を通さないことで故障も減る。コストダウン。マイレージサービスとの連携など拡張性。
・リスクとは将来の不確かさの度合い。リターンの振れ具合
・行動プロスペクト理論:投資行動における心理。得している時は早く利益を確定したい(リスク回避)、損している時は損失を不確定にしようとする(リスク選好)
・外国株のデメリット:国の信用へのリスク、為替リスク、市場規模が小さく、価格変動が激しい、取引手数料も割高
・信用取引は株式市場の取引の2割以上を占める
・会社が倒産や解散した時、残った財産の分配では株保有者よりも債権保有者が優先される
・債権の多くは店頭市場で流通
・転換社債なら現金で返す代わりに株式で返すことが可能
・MSCB(転換価格修正条項付転換社債)は転換価格が下方修正されるかも知れないという条件が付いた社債。転換時の株価が下がると交換する株式数が増えるため、1株あたりの価値が薄れる。
CB発行時には株価が下がりやすい。
・円安では海外投資家は日本株に投資しやすい
・外国為替市場は24時間眠らない市場。1日当たり200兆円の取引
・世界の75%の国は固定相場制で発展途上国に多い
・(絶対的)購買力平価:2国間の為替相場は2国間の同じ商品を同じ価格にするように動き、均衡する。このときの為替レート
・相対的購買力平価は2国間のインフレ率の差からレートを決める
・投信では販売・運用・管理の3つの金融機関が関わる。複数に分けることで不正をしにくくする
・景気によって有利な商品が異なる。景気のよい国にお金を置け
-目次-
第1章 マネーってなんだ?
第2章 マネーを増やそう!!
第3章 マネーのIQを高めよう!!
第4章 センター試験「マネーの虎」
第5章 投資男「DO」!
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