読書メモ

・「細野真宏の世界一わかりやすい株の本
(細野 真宏:著、文藝春秋  \952) : 2006.06.19

内容と感想:
 
著者は「経済のニュースがよくわかる本」がベストセラーとなり、経済ニュースを分かりやすく解説する人ということで 有名になった方。もともと数学が専門で受験生の数学指導をしている。 病気で入院中にパソコンとインターネットに出会い、それから株も始めたそうである。
 本書はその株式投資の実践者でもある著者が株について分かりやすく記した本である。 他の株の入門書と違うのは「株は儲かる」、と読者をいたずらに煽るようなものではなく、 巷に溢れる情報に踊らされず、情報を自分で判断して投資に活かしていこう、というスタンス。 日産マーチのCMや西武鉄道の上場廃止問題、などの例を挙げて新聞記事やTVなどの経済ニュースの読み方を教えてくれる。 情報判断力を身につけるためには経済の基本的な仕組みを理解する必要があるのだ。 図や絵が豊富で解説も初心者にはやさしい。中でも「配当の利回りが1%以下なら割高」という基準は興味深かった。

○ポイント
・学習参考書など日本の教育ソフトの開発力が世界最高水準である一方で、金融・経済教育が行われていない
・過去5〜10年分のチャートを見て現在の株価水準を見る
・情報の速さはプロには勝てない、短期の投資には素人は不利
・中長期投資には志の高い本物の会社(潜在能力を感じられる)を。新しい発想、大ヒット商品を作る出す基盤
・会社が買収されそうなとき配当を高くして株価を釣り上げることも防衛策の一つ
・プロの投資家は遠い将来の話にはあまり興味がない
・想定外の事件などによる株価急落は事故のようなもの

-目次-
第1回 上昇相場に騙されない「株式チャート」の読み方
第2回 プロにカモにされないための「情報」との接し方
第3回 個人投資家の“強み”を最大限に生かす「銘柄選別法」
第4回 “西武鉄道の上場廃止”に学ぶ「情報判断力」の磨き方
第5回 個人投資家に最も適している「中・長期投資」の考え方
第6回 株を売買する際の「原則」と「心構え」について