読書メモ

・「女性に必要な12の力
(齋藤 孝:著、アシェット婦人画報社 \1,500) : 2006.06.18

内容と感想:
 
各界の有名女性12人との対談集(美輪さんは?)。女性の読者を意識した少しお洒落な装丁。
 失礼ながら中には初めて名前を聞いた方もいるが、 いずれもビッグでスペシャルな方々であり、著者の齋藤氏のテンションも高めだ。 著者は彼女らに共通するのは、ひとつのワールドを持ちながら、バリアがなく、人をリラックスさせるのが上手で、その力がクリアに見えやすいこと、だという。 対談相手は極端に若い人はいないが(最年少は30代の宮沢りえ)、年代は様々である。著者の趣味で選んだのかも知れないが、 あまりに若すぎると会話に深みが出ないのだろう。
 限られたページ数では編集で省略された部分もあると思うが、 各人がその道のプロということで、それぞれの個性、魅力、プロとしての普遍的な意識などのエッセンスが 聞き上手・話上手の著者により、うまく引き出されているのではないだろうか? 各章のトップに対談者と著者とのツーショットの写真が載っているが、著者の上機嫌ぶりがそのニヤケ顔から伝わってくる。

○印象的な言葉
・病気にならないですむには好きなことだけをやって生きなさい
・いやだなと思っていると治るものも治らない
・ちゃんと裏打ちのある人だけが残る。教養が必要
・節句やお祭りはほっと息を抜ける必要不可欠の非日常、日本人の生きる方便
・日本の男には文化がない、モラルもない、嫉妬の塊
・気ばたらき
・日本は子供の文化。その危うさを女性は感じている。歳をとるごとに成熟して、良くなり続ける人生
・夢は起きている自分よりもはるかに伸びやかで柔軟
・人に請われて、活かされて自分を出していく
・動いている状態が”自然”
・優先順位がはっきりしない人生には恨みも後悔も出やすい
・あえて全部見せずに隠す美意識、想像力を掻き立てる表現

-目次-
黒柳徹子 ―セクシー力
美輪明宏 ―パッション力
塩月弥栄子 ―お転婆力
夏木マリ ―更地力
草刈民代 ―背すじ力
プリンセス天功 ―夢遊力
フジコ・ヘミング ―別人格力
倍賞千恵子 ―妹力
安達とう(※)子 ―家出力 ※"日"偏に"童"と書く
富司純子 ―おかあさん力
宮沢りえ ―憂い力
中島みゆき ―お鍋セット力