読書メモ
・「誰が歴史を歪めたか 〜日本史の嘘と真実」
(井沢元彦:著、祥伝社黄金文庫 \571) : 2005.02.08
内容と感想:
日本史をテーマにした井沢氏と10人のゲストとの対談集。古代史から現代史までと幅広い。隣国、朝鮮半島、中国・台湾との関係にも触れている。梅原猛、陳舜臣、小松左京、小室直樹、高橋克彦らのゲストはみな、日本史の専門家ではない。しかしそれぞれの視点から歴史を見つめていて面白い。面白いと思った点をいくつかピックアップすると:
・日本は外からきた人間(弥生人)が土着の人(縄文人)を征服してつくった国
・万葉集は鎮魂歌集
・三角縁神獣鏡は中国では出土していない→卑弥呼の鏡ではない
・古墳時代は前・後期で埋葬品が一変している→騎馬民族による日本征服説
・日本書紀は男の手によるもので、古事記は女言葉による伝承
・仏教の生命は戒律にある。日本に輸入されて戒律が廃された。本来、仏教では霊魂を認めない
・江戸期の流通貨幣は西日本が銀本位、東が金であった
・戦中戦後の日本で食うに困ったのは大都市の人間だけ
-目次-
第一章 怨霊信仰が歴史の真実を浮かび上がらせる
第二章 邪馬台国は九州か?
第三章 中国を無視して日本の歴史は語れない
第四章 古代史の舞台裏に垣間見える女性の姿
第五章 日本の宗教は怨霊宗教である
第六章 歴史から抹殺され続けた東北の叫び
第七章 誤解だらけの江戸を斬る
第八章 「戦前は真っ暗だった」それは嘘である
第九章 昭和天皇は二人いた
第十章 遠く離れてしまった隣国
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