読書メモ

・「天才になる瞬間
(齋藤孝:著、筑摩書房 \1,200) : 2005.10.30

内容と感想:
 
”天才になる瞬間”、なんと不遜なタイトル!。その瞬間とは「自分の才能をガシッとわしづかみにした感覚が生まれるときのこと」と定義している。 「壁や限界を突き抜けた」という感覚とも言い換えられる。まだ自分にはその感覚は味わってないな、と思いながら本をめくる。
 「自分の才能をガシッとわしづかみにした感覚が生まれ」れば天才になるのかどうかは知らないが、本書のテーマは自分の才能に目覚めるブレイクスルーをテーマにしている。 著者が本書で取り上げた天才は、黒澤明、手塚治虫、ビル・ゲイツ、ミケランジェロ、ニーチェ、北野武、トルストイ、ロダン、ゴッホ、ゲーテ、ゴーギャン、宮崎駿など ほとんど芸術家だが、唯一ビル・ゲイツだけが違う。天才ビジネスマン・経営者として取り上げらている。 彼らの課題克服法やスタイルの作り方を紹介し、潜在能力をブレイクさせていくためのヒントを与えてくれている。
 キーワードはたくさんある。渾身、メモ力、自己肯定力、反復、劣等感、情熱(パッション、好き)、集中力、不安(おびえ)、シンプル、こだわり、ビジョン、自負心、自信、孤独、 ガキの感性、遊び、焦燥感、不器用、スタイル、など。

印象的な言葉:
・編集(アレンジ、加工)する能力
・心の師、ビッグネーム、座右の銘、憧れ
・明確な目標設定・方向性、やるべきことの整理がついている状態
・日々、エネルギーを使い切ると、蓄積される器も大きくなる
・不安→才能だけではカバーできない→努力を怠らなくなる
・与えられた自信(周囲の評価、他人との比較)
・困難な場合は第一印象に従え<トルストイ>
・3年先の稽古をしろ(相撲)
・退路を断つ、捨てる、背水の陣、追い込む
・誰の背中も追いかけない
・風通しのいい人、「まあ、できるさ」、気楽でポジティブ
・リスクを減らせるか考える

-目次-
第1章 人は誰でも、天才の領域に突き抜ける潜在力を持っている
第2章 仕事に生かす!天才になる習慣術
第3章 壁を破る!天才になる発想術
第4章 生きざまに学ぶ!天才になる人生術