読書メモ

・「人生讃歌
(美輪明宏、齋藤孝:著、大和書房 \1,500) : 2005.06.26

内容と感想:
 
美輪明宏と齋藤孝という異色(?!)の組み合わせによる対談集。
 失礼ながら美輪氏のこれまでの実績について私はほとんど知識がない(オカマタレントの一人くらいにしか認識がなかった。失礼しました)。 しかし、この対談を読めばその浅はかな認識が誤っていがことはすぐに分かった。 副題に「愉しく自由に美しく、又のびやかに」とあるように、本書のテーマは「生きる」ことである。
 しょっぱなから美輪氏の毒舌ぶりが発揮される。 戦後、ほったらかしで勝手に育った世代が今の日本の中枢にいる。物欲、食欲、性欲が世の中を支配し、日本国は荒廃している、と。 日本人全体がそうだとは思わないが、そういう世代を見て、子供は育つし、更に荒廃しないとも言えない。 私にもぼんやりとそんな実感があったから、この人はこの国を客観視できている人なのだと認識を新たにした。
 日本再生のヒントがこの本にはある。

印象的な言葉:
・日本がはただ一本の輪郭線に勝負を賭ける
・歌舞伎の型は身体を絵のように浮かび上がらせる
・それまでつながらないようなものがつながったときアイデアになる
・学校は文化を継承する場
・学校に「マナーの時間」を作ったらどうか
・日本には人的資源しかない
・「常識」は当てにならない。「真理」を信じろ
・侍。平常心を失わない。泰然自若。一喜一憂しない。群れない。背筋が伸びている。
・日本人は細かい差別化が得意。膨大な文化の襞。
・日本はイタリア的な生き方が似合う。美意識。
・美しいものにはエネルギーの波動がある

-目次-
第1章 自由に生きるために
第2章 日本を元気にする文化の力
第3章 人生の波と美の波動
第4章 セクシュアルに生きるる