読書メモ
・「嫌われる言葉 〜部下と上司の常套句」
(齋藤孝:著、講談社 \1,300) : 2005.05.02
内容と感想:
本書では会社における部下と上司の言葉遣いを中心に「まずい言葉」を数多く取り上げて、
ビジネスマンに注意、見直しを喚起している。
ついうっかり発した言葉が関係をまずくすることがある。相手を傷つけることがある。
会社でストレスになるのは仕事そのものではなく、上司や部下、同僚とのコミュニケーションだったりする。
巻頭での著者の言葉を借りれば、言ってはいけない言葉の「地雷感知能力を持つことが、社会人として生きる力となる」ようである。
同感である。
本筋からは少し離れるが、面白いと思ったのは:
・大岡越前のように品格ある上司の言葉は学んでおくといい
・「ファンタスティック!」は利用範囲が広い
・「さすがですね」は使いでがある
・ビジネスに「今度」はない ⇒ すぐやれ、今やれ
・これからは「ミッションの時代」。「やりがいのある期限つき条件つきのミッション」がやる気を出させる。使命感を感じさせるミッション。
・上司は傷つきやすい生物である
本書はビジネスシーンにおける日本語の使い方を主題にしているが、
言葉遣いに限らず、結局はビジネスをやっていく上での基本姿勢を問い直しているのだ。
上司は責任を持て、部下を育てろ、部下は言い訳するな、といったような。
本書を読めば、そこでそう言っちゃまずいだろー、というのが客観的に分かるし、
出来る・出来ない人、うまくいく・いかない人とはどういうものかが、
おのずと分かってくるというもの。ビジネスでは何事もコミュニケーションが基本である。
上司にも、新入社員にも読んでもらいたい本である。
-目次-
その1 上司の隠れた悪意
その2 増殖ウイルス系雑言
その3 会社内おどし文句
その4 ごうまんオレオレ系
その5 ネガティブパワー、炸裂!
その6 責任放棄の捨てゼリフ
その7 あんたは何様(!?)語
その上1 それは客に言ってはいけません
その上2 かわいげのない部下
その上3 部下を育てられる上司
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