読書メモ
・「株はこれから2年」
(松本大、あいはら友子:著、幻冬社 \1,300) : 2005.12.30
内容と感想:
本書が書かれたのは2004年7月。(株をやるなら)”こらから2年”といえば2006年7月までということになる。
2005年は年末の日経平均株価は年初から約4割のアップだったそうだ。
日本の景気回復基調が鮮明になった、というのを株価上昇の理由に挙げている新聞記事などをよく目にする。
本書もその流れを先取りして書かれているようで、2004年7月時点で本書の影響で株を買った人は、
今頃喜んでいるかも知れない。
急激な株価上昇についてバブル再来か、と警鐘を鳴らす発言も耳にするが、
2006年もしばらく上昇が続くとの見方がエコノミストや大手企業経営者などの大勢を占めるように思われる。
超低金利が続き、資産運用を銀行預金から株式投資にシフトする傾向が拡大しているようだ。
ネット取引を繰り返すデイトレーダーも増えているそうだし、証券口座の開設も急増中とのこと。
ますますバブルの香りがしてくるのだが、ITバブルのときのような根拠の乏しい期待感が株価を押し上げた状況とは
確かに異なっているようだ。
今さら、株を買うべきかどうか、もう遅いかも知れないが波に乗っかって少し運用してみようか、
という人には本書は投資意欲をくすぐるかも知れない。
松本大氏はマネックス・ビーンズ。ホールディングス社のCEO。TVでの露出も多い。あいはら友子氏は株に詳しい女優として有名らしい。
株をやる人はどういう見方をしているのかを知りたくなって本書を手にした。
本書ではどういった視点で銘柄を選ぶかが中心であるが、いろんな選び方があるものだと勉強になった。
例えば、社長が面白い、ご当地銘柄、自分が詳しい分野、などなど。個人的には会社四季報の数字の読み方が勉強になった。
本好きとしては本書の出版元の”幻冬社”(JASDAQ)が注目株だと思うのだが・・。
○ポイント:
・株も情報収集が肝心。活字になった情報(一般情報)は既に古い。情報を取りに行く姿勢。情報は現場で仕入れる。
・情報には一定の距離を置く。見方に偏りがないこと
・会社四季報などの予想の数字が信用できるかどうかは取材記者や対応した企業の社員の資質にもよる
・出来高に対して買い残が大きい銘柄には要注意
・流動性リスク:いつでも売れる銘柄が安心(流動性が低いと乱高下しがち)
・素材を作る川上企業:特定業種の好不況に左右されにくい
・世界有数の金持ち、投資家が世界の大きなお金の流れを決めている
・自分が考えていることは他人も考えていると思え
・自分がよいと思った銘柄でも誰も気付かなければ買われない(株価が上がらない)
・腹八分で満足、早めに利益確定
・IRセクションは投資家からの質問に正しい情報を伝える義務がある(証券取引法)
・膨大な投資資金を吸収できる受け皿は日本と欧米市場くらいしかない。
・クリントン政権時に解消した財政赤字がイラク戦争により再拡大している
・ブッシュ政権の支持基盤である産業界はドル安を支持したがる
・少子高齢化が進む日本の国力は今後、低下傾向。長期的には株価は厳しい。
・2007年から団塊世代が一挙に退職し始める。企業としては労働コストが下がり、よい傾向
-目次-
第1章 株で大金持ちになるための26の法則
第2章 株で成功したければ世界の動きをつかめ
実践編 あいはら友子の必ず成功する株式の選び方
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