読書メモ

・「眼力
(齋藤孝:著、三笠書房 \1,200) : 2005.10.16

内容と感想:
 
著者の本には「xx力」というのが多い。”眼力”で連想するのは、少し前に女性化粧品か何かで流行した言葉「目ヂカラ」。 こちらはは本書のコンセプトとは異なり、より女性のビジュアルな魅力を目というパーツにフォーカスしたものだと理解している。
 さて、本書では人物・モノを見る目を身につけよう、というのがコンセプトである。 眼力が社会で必要な場面としては人材採用や育成、配置だろう。最初から「華がある」「オーラがある」ような人は少ない。 また、見た目はパっとしなくても潜在能力を秘めているかもしれない。 上に立つ人間には人材を見抜く眼力が要求されているのだ。
 しかしそう簡単に眼力が磨けるわけではない。そこで著者が提案しているのが「齋藤式・座標軸思考法」である。 これは他の著書でも何度かお目にかかったことがある。要は二次元座標を書いて、4つの象限のどこに当てはまるかを見る。 二つの軸は相互に無関係であるほうがよいらしい。 人を見る目の大本命は著者が名付けて「ゴールデン座標軸」。自己客観性と自己肯定力を二軸にとったもの。
 また、眼力を磨くために「眼力ゲーム」を勧めている。眼力が付いていくのを楽しむのだ。日頃から意識して物事を観察していくことが大事だろう。。

印象的な言葉:
・着眼点、目の付け所、見どころがある、腹を見る、器を見る、度量を見る、洞察力
・具体的かつシンプルな(判断)基準、検証可能なこと
・感性にどう触れてくるか
・プロの力量には差がない、最後は気質の勝負
・印象に惑わされない。キャリア、実績もみる
・先端を走っている深い見方を共有したい
・根幹の人間性: 素直、純真、謙虚、向上心、前向き、志、信念
・根気は体力や気力が生み出す
・60点の能力があればどんどん仕事を任せたらよい(松下幸之助)
・リーダーの最大条件は企業を正しい方向に導く目標設定能力
・エネルギーを感知する身体
・クセの技化、短所をプラスに
・化けさせる触媒

-目次-
プロローグ 人物・モノを見る目(=眼力)を身につける本
1章 見えないものを見抜く「カリスマ眼力」とは?
2章 自分の「ものさし」一つで勝負する
3章 眼力を「技化」する
4章 「化ける才能」は、プロセスで見抜く!
エピローグ その人の人生に最も役立つ「眼力」という武器