読書メモ
・「コメント力 〜「できる人」はここがちがう」
(齋藤孝:著、筑摩書房 \1,200) : 2005.10.08
内容と感想:
著者に言わせれば「日本人はコメント下手の国民」だそうだ。何か意見や感想を求められたときに、
「形式的な言葉で終始してしまう人が多い」そうだ。
著者は現代社会を生き抜くために必要な3つの力を提唱している。「まねる力」、「段取る力」、「コメント力」。
自分が感じたこと、考えたことを一言、二言で表現しなければならないときに「コメント力」が必要となる。
気の利いたことが言えないと能力が低いのではないか、見識不足、オリジナリティ・個性がない、などと相手に思われてしまって、
損をすることがあるかも知れない。
第一章では「コメント力」とはどういう概念かを説明し、第二章では穴埋めの練習問題形式で読者の「コメント力」を試している。
慰めたり、誉めたり、かわしたり、と様々なシチュエーションで何か言葉を発するときに、どんな気の利いた一言が言えるかを問うている。
勿論解説付きで、同時にコメントのテクニックが学べる。
第三章では優れた「コメント力」はどういうものかを、有名人の言葉を引用しながら説明している。誉め方、味の表現などを題材にしている。
第四章では漫画や徒然草から独創的なコメントを取り上げ、紹介している。
エピローグでは次のような意味深な言葉を残して締めくくっている。「恋愛力はコメント力である」
いずれにせよ、気の利いたことを言うためには、ある程度の知識・経験がないと言葉に重みがない。
人間を磨かないと、言葉に魂が込められないだろう。日々精進。。
印象的な言葉:
・比較して違いを言うことが簡単
・味など感覚的なものを言葉で表現するのは難しい。言葉によって非言語的なことに眼が開かれることもある。
・ソムリエ田崎真也氏はワインの味の違いを言葉というラベルを付けて整理するそうだ
・上司はコメント力で給料をもらっている
・自分がどんな立場でコメントするかを頭に入れる
・西の聖書はキリストのコメント集、東の論語は孔子のコメント集である
・単位時間当たりの意味の含有量
・漫画「エースをねらえ!」は「コメント力」漫画
-目次-
プロローグ 「コメント力」は現代社会を生き抜く必須の能力
第一章 「コメント力」とは何か?
第二章 「コメント力」トレーニング集
第三章 優れた「コメント力」
第四章 独創的な「コメント力」
エピローグ
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