読書メモ
・「図解雑学 重力と一般相対性理論」
(二間瀬敏史:著、\1,200、ナツメ社) : 2003.12.13
内容と感想:
雑学と言うには余りに高等な理論である相対性理論を取り上げている。見開き2ページの半分が図解で一トピックとなっていて、出来るだけ易しく解説しようとしている。しかし、全てを理解するのは困難な理論だと言わざるを得ない。それでも読み終えれば、僅かではあるが分かったような気になる。そもそも全貌を理解するなんて、おいそれとは考えてはいないから。
アインシュタインが相対性理論を考えたというくらいは知識はあった。しかしそれが特殊相対性理論と一般相対性理論の2つがあることは恥ずかしながら知らなかった。学校で教わったこともないし、畑違いだし、勉強しようともしなかった。ただし以前から、どういうものか知りたいなとは感じていたが、今日まで先送りされてきた。図解ということでとっつき易さも手伝って、ようやく”入門”といったところ。
まず特殊相対性理論が考え出され(1905年)、その後、この理論では説明できない現象を扱えるように考え出されたのが一般相対性理論である(1915年)。”特殊”が付く理由としては物理現象を説明するのに、観測者が慣性系(互いに等速直線運動をしている状態)にある特殊な条件下にある場合は同じ方程式で表すことができるというもので、我々の住む地上のような限定された環境では十分であった。しかし、地表を離れて重力の影響を受ける時空(時間と空間)における物体の運動を特殊相対性理論では表すことができなかった。そこで、慣性系以外のどんな運動系における観測者にも同じ方程式で表すことができる一般相対性理論が登場した。
”特殊”の方は重力を扱えないという欠点があり、それを補うために”一般”が考え出され、従来のニュートン重力理論に替わる新しい重力理論が誕生したのである。
Chapter 1 ニュートンの重力理論は完璧か?
Chapter 2 アインシュタインの登場と特殊相対性理論
Chapter 3 新しい重力理論・一般相対性理論
Chapter 4 一般相対性理論を検証する
Chapter 5 ブラックホールの不思議
Chapter 6 究極の重力理論を求めて
SFに出てくるようなブラックホールも一般相対性理論で説明でき、理論の応用としてワームホールを用いたタイムマシンの作成など興味ある話題もある。
一般相対性理論といえども完璧ではないらしく、理論自体が破綻する特異点なるものが存在することや、この問題を解決するために量子力学を融合させようという試みもあるそうである。
易しく解説してくれる本書であるが、読み進めるごとに疑問が沸いて来て、すぐには飲み込めない。一気に読み通すにはヘビーである。結局、一章ごとに別々の日に読み進める羽目になった。”一般”とは言うものの我々には一般的には知らなくても困らない理論ではあるが、知的欲求を少しは満たすことが出来たので、よしとしよう。
更新日: 03/12/13
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