読書メモ  

・岩波新書「日本語練習帳」(大野晋・著 \660、岩波書店)


はじめに:
  言わずと知れたベストセラー。
  自分のホームページを持つようになって、自らの悪文をインターネットという公の場に晒すことに多少は恥ずかしさを感じながらも、こうやってまた書いている。
  読後、書くことに対して、更に慎重にならねばと思うところである。
  本書は題名にあるように、練習問題と解説といった形式で構成されている。全ての問題を解答すると、その合計点で日本語の技能が判定できるという。仕事帰りの電車の中で読んでいたこともあり、私は解答自体には真剣には取り組まなかったが(言い訳に聞こえるかも知れない)、果たして何点くらい取れていただろうか?


内容:
  この文は書評ではなく(恐れ多くて)、感想文というかメモ程度であり、気に止まった点を挙げるにとどめる。

1章 単語に敏感になろう
・なんとなく使っている日本語にもちゃんと語源があり、古代”やまと言葉”から様々な変化や融合などを繰り返して今に至り、今も変化し、新語も現れている。

2章 文法なんか嫌い
・学校で教えない助詞”は”と”が”の用法

3章 二つの心得
・筆者は志賀直哉を評してこう言う「彼を小説の神様としてのは、大正期・昭和前期の日本人の世界把握の底の浅さの現れ」。
・文章が明晰に書けることと、何を書き、何を扱うかとは別のこと

4章 文章の骨格
・文章の縮約について、「理解が不正確では正確な縮約はできない。机辺に現代語の辞書を用意すべし」

5章 敬語の基本
・日本語における人称代名詞の扱いのヨーロッパ語圏との違いが、人間関係の把握の仕方にある
・日本語にはヨーロッパ語と比較して、罵倒語や罵詈語が貧弱らしい。謙譲の逆、尊大の表現も少ないらしい
・言語とは何かを表して、「相手に分かってもらえるように表現し、相手をよく理解しようとして読み、聞く」

備考:

更新日: 00/03/21