読書メモ
・幻冬舎文庫「大河の一滴」(五木寛之・著 \476、幻冬舎)
きっかけ:
五木寛之が"生きるヒント"をつづる一連のエッセイ集の一つ。先に読んだ「他力」などとまとめて古本屋で買ったうちの一冊だ。
キーワード:
人は生まれながらに死のキャリア、
プラス思考と究極のマイナス思考、
自殺と他殺、
非と情、
励ましと慰め、 etc.
内容:
内容は「他力」と重複している部分も多く、くどいと感じることが多かったが、たとえ同じ表現が現れても、そのたびに彼が語る言葉に、それだけ伝えたい気持ちが込められているのだろう。もしかすると、意図的にか、無意識にか蓮如が書いた御文(おふみ)のような効果を狙ったのかも知れない。
読んでいるうちに、自分の人生と重ねて考えないわけにはいかなくなる。
昨年、誕生日を迎えたとき、ふと年齢を数えたとき新鮮な発見をした。私の生まれた昭和41年から既に33年が過ぎた。この年数は第二次大戦が終わってから私が生まれるまでの間の20年よりも長いのだ。生まれるたった20年前に日本を含め世界各地が焦土と化した戦争があったのだ。なにか不思議な感覚をもったのだ。
五木さんとは年こそ違うが、今の世の中に感じていることや自分の生き方に共感する部分が多かった。きっと当たり前の、普遍的なことを述べているに過ぎないのかも知れないが、当たり前のことが当たり前にいかないのがこの世の中。
(2000.01.10)
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