★1111hit★ | |
沢の水は夏でも冷たい。暑い夏の日に涼を取るために、こんな山奥の沢まで遊びに来たのだ。 着物の裾が濡れるのも構わず、乱太郎は浅い流れの中に入っていく。 「滑らない様に気をつけて」 「大丈夫ですよぅ」 利吉の言葉に、乱太郎が笑って答える。が、次の瞬間、石に生えた苔に足を滑らせ、派手な水飛沫を上げて転んでしまった。 「きゃぁっ!」 「ほら、だから言ったのに。この辺の川底は滑るんだよ」 慌てて近付いた利吉に、流れの中に座ったままの乱太郎が、手で水を跳ね掛けた。不意の事に避け切れず、利吉の着物がびしょ濡れに成る。一瞬、呆気に取られた利吉が笑い出し、水を掬って乱太郎に掛けた。 「そら、お返しだ」 「わっ、もうもうっ」 水を掛け返されて、乱太郎は立ち上がり、今度は必死に水を掛け返す。でも、何時までも必死な顔は出来ず、乱太郎は直ぐに楽しげな笑い声を上げ始めた。 利吉も、笑う。楽しい、夏の日のひと時だ。 「あ」 「どうしたの」 不意に声をあげ、水を掛ける手を止めた乱太郎に、利吉が聞いた。 「あのね、あの深みの所に魚が見えたんです」 「ああ、この辺は鮎が多いからね。川底の石が滑るのは、鮎の餌の苔が生えているからなんだよ」 「へぇ…」 「あの鮎を捕まえて、お昼にしようか」 利吉の言葉に、乱太郎は嬉しげに眸を潤ませて、大きく頷いた。 TEXT:利太郎様 |
1000≪ ←戻 ≫1500
利太郎様からリクを賜りました。
そんな訳で、『沢遊びする利吉さんと乱ちゃん』です。
ほんっとに遅くなりまして…。申し訳ありませんでした…。
(今、作業中に改めて1000hitからまるまる2ヶ月開いてるのに気がつきました。
いつの間に…)
で。
…どうですか?(←訊かれても)
その上、塗っても塗っても終わんなくて泣いた割に
ご要望いただいたイメージからは大幅にはずれてそうな予感大。
ともあれ!リクエストと素敵なカキコvどうもありがとうございました。